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コロナによる変化にどう対応すべきか。多くの企業が苦しんでいます。ここでは、「セグメント」「ブランディング」「マーケティングチャネル」のマーケティング基本三柱をうまく活用して成功している企業事例を紹介したいと思います。
セグメントの事例として取り上げるのは、マンダムの男性用化粧品「ルシード」です。このブランドは、市場をうまく世代で区分しています。男性用化粧品には特性があります。若いときに使っていたブランドをそのままずっと使い続けるというものです(図表1)。
図表1.ルシード 世代セグメントでブランドエクステンション
![図表](https://www.jmrlsi.co.jp/membership/premium/concept/report/strategy/ws202011-03-01.png)
ルシードは1989年に、当時の20代30代の断層世代、新人類をターゲットとして発売されました。今ではその断層世代、新人類は40代50代になっています。ルシードは、この当初使っていた世代をずっとターゲット設定しています。
もともとは、スタイリング剤からスタートしました。そこから、40代向けに白髪用のヘアカラーを出したり、シワ改善用のスキンケアシリーズを展開したりしています。CMには浅野忠信さんを起用し、今の断層世代、新人類の生活全般に入り込むようなラインナップになっています。ルシードは、ブランドエクステンションの成功事例ということができます。
ふたつ目が、エバラ食品の「プチッと鍋」です。これまでの鍋つゆは、ファミリー向けのパウチ型3~4人前商品が主流でした。このタイプの商品はかなり売れていましたが、同時に各社が商品を投入し、競争も激化していました。一方で、こういった商品に対しての不満も存在していました。まず、3~4人前なので、家族揃わないと食べられないということや、量が多すぎるという点です。ここに目を付けたのが、エバラ食品です。
その結果、誕生したのが1人用の「プチッと鍋」です。2013年初年度の売上は、8.6億円、翌年は37.2億円と4倍に増加しました。コロナの影響から宅内食が増加傾向にあり、好調です。この「プチッと鍋」のポイントは、若者、高齢者、子なし夫婦といったセグメントに対応して、商品を開発したことです。1個1人前のポーションタイプで、品揃えをどんどん拡大しています。発売当初は鍋だけでしたが、2015年にはステーキ用、16年にはうどん用などを発売しました。
中心となるチャネルは、食品スーパーです。在宅勤務が増えたため、昼食用のうどんを発売しました。時代に合わせて商品を提案していることも、好調の要因ということができるのではないでしょうか。
このふたつの事例のように、市場をどのように区分していくのかということは、非常に重要です。では、ブランドはどんなふうに広げていったらいいのかという点について、これから紹介したいと思います。
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特集:コロナ禍の消費を読む
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