小林製薬の2022年12月期の連結決算は、売上高1,663億円(前年同期比7.1%増)、営業利益267億円(同2.3%増)の増収増益となった。国内事業と通販事業は苦戦したが、国際事業が目標を大きく上回る着地となった。国内事業では、ヘルスケアとカイロが堅調に推移したが、日用品とスキンケアが伸び悩み、増収減益となった。国際事業では、米国・中国・東南アジアを中心に、カイロや額用冷却シート「熱さまシート」、外用消炎鎮痛剤「アンメルツ」などを販売。為替換算での円安の恩恵があったものの、現地通貨ベースでも増収増益を達成した(為替影響:売上高+53億円、営業利益+8億円)。栄養補助食品、スキンケア製品等の通信販売を行っている通販事業では、売上に大きく貢献する新製品を発売できず減収となったが、販売促進費等の経費削減努力により、増益となった。小林製薬では、将来にわたって持続的に成長していくために「2030年のありたい姿」を描き、2020-2022年の中期経営計画では「国際ファースト」をテーマに、国際事業の成長、並びに新製品開発・育成力の向上に努めてきた。この3年間で、海外売上の成長は実現したが、新製品の発売スピードアップや既存品の競争力強化などに課題は残る。2023-2025年からは、これまで以上にチャレンジが歓迎・促進される風土の醸成に取り組むべく、「私が"あったらいいな"をカタチにする」をテーマに、新たに中期計画を策定。2025年度の業績目標として、売上高1,910億円以上、営業利益268億円以上とし、初年度の2023年度は、売上高1,720億円、営業利益255億円を目指す。
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参照コンテンツ
- 戦略ケース 大衆薬のネット販売本格化で始まるメーカー・小売の業界再編 ~アマゾンが薬のネット販売を開始~ (2013年)
- 戦略ケース 法規制で縮む健食通販 (2008年)
- 戦略ケース 「大正製薬」×「小林製薬」 定番長寿商品に「すき間」で対抗 (2007年)
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