特定層にターゲットを絞って持続的なマーケティングを展開することです。市場を構成するセグメント間の異質性が高まり、多様化が進んでいる市場に対応する需要サイドアプローチの政策コンセプトということになります。
90年代以降、市場を構成するセグメント間の異質性が高まり市場の多様化が進んでいます。この市場に対応するためには、市場調査から得られた客観的な情報に基づいてセグメントを捉え、限られた資源の上で、戦略的なセグメントの選択と、そのセグメントへの持続的で固有なマーケティングの展開が必要になってきます。供給サイドのセグメンテーション政策から需要サイドのターゲティング政策への転換です。
従来、日本のメーカーが行ってきたマーケティングは、市場条件によらない、供給サイドからのアプローチだったと考えられます。その勝ちパターンの戦略は、水道哲学に象徴されるコストリーダーシップ戦略と、携帯電話、iモード、デジカメなどに典型的な、技術革新によって新しい需要を作り出す需要変更戦略です。そして、そのようなアプローチが通用しなくなっているのが現在です。
また、IT革命の進展によって、リサーチとアクションとの関係が劇的に接近し、情報とマーケティングアクションを結びつける持続的なマーケティングが展開できるようになっています。ターゲティング政策を実現する市場条件と技術的条件が整ってきたということができます。
第一にターゲットを設定し、そのターゲットに接近する情報システムをどう設計するか。第二に、ターゲット毎に商品サービス、コミュニケーション、提供方法をパッケージにして、固有なマーケティングを設計し準備できるか。ここまでは特定層選別集中マーケティングの応用ですが、第三に、収益を確保するためのビジネスシステムをどう構築するかがあります。
参照コンテンツ
おすすめ新着記事

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 成長するコーヒー市場 6つの形態が店頭に共存するワケとは?
コーヒーの国内消費量は、2022年に4年ぶりの増加に転じた。最近では大手コンビニエンスストアがコーヒーのサブスクサービスを実験的に導入する動きがみられる。今回はコンビニを中心にコーヒーがどのように買われているのか調査をおこなった。

消費者調査データ No.397 シャンプー(2023年12月版) 「パンテーン」と「ラックス」、僅差の競り合い
コロナ禍によるインバウンド需要喪失からゆっくり立ち直りつつあるシャンプー市場。調査結果は「パンテーン」が複数項目で首位を獲得したが、2位の「ラックス」との差はごくわずかで競り合いが続いている。国内メーカーでは、独立系の専業メーカーが独自のコンセプトで高いリピート意向を獲得している。

成長市場を探せ 「巣ごもり」後も割安感で堅調な家庭用冷凍食品(2023年)
2022年の家庭用冷凍食品の生産量は、前年比100.8%となる80万5,000トンで、8年連続拡大、過去最高を更新。22年からの食品全般の値上げのなかで、簡便化志向や節約志向から利用が継続されているとみられている。



