半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

公開日:2020年11月24日

月例消費レポート 2020年11月号
消費は再び落ち込み、低迷が続いている
主任研究員 菅野 守

※図表の閲覧には会員ログインが必要です。

消費に関する各種経済指標は、一時改善の動きがみられたが、再び落ち込み、低迷が続いている。日常生活財でプラスなのは宅内充実関連支出に限られ、耐久財も消費税増税の反動を除けば概ねマイナスである。

 JMR消費INDEXは低下に転じ、過去最低水準に低迷している(図表1)。

 INDEXを構成する個々の変数の動きをみると、2020年8月以降改善を保っているのは、食料品と家具・インテリアの2指標のみである(図表2)。

 消費支出の伸びは名目と実質ともに、マイナスで推移している。伸び率の値は2020年6月に急上昇したが、7月以降再び落ち込み、低迷が続いている(図表4)。

 2020年9月の10大費目別では、名目と実質ともに、10費目中9費目がマイナスとなった。マイナスの費目数も、前月8月よりも増えている(図表5)。

 販売現場では、日常財のうち小売業全体の売上が、マイナスで推移している。伸び率は、2020年9月に再び低下している。これまでプラスで推移してきたスーパーの売上の伸びも、2020年9月には8ヶ月ぶりにマイナスに転じた(図表9)。

 外食の売上は全体でも業態別でも、マイナスが続いている。伸び率は上昇傾向にあるが、上昇の勢いは鈍化しつつある(図表13)。

 耐久財のうち、新設住宅着工戸数の伸びは2020年6月以降、全体でもカテゴリー別でもマイナスが続いている(図表12)。

 家電製品出荷の伸びは、2020年7月を境に低下が続き、一部を除き再びマイナスへと落ち込んでいる(図表11)。

 他方、新車販売の伸びは2020年10月に大幅な改善をみせ、乗用車(普通+小型)と軽乗用車ともにプラスへ戻している(図表10)。

 雇用環境は、有効求人倍率で悪化の動きが続いている。一方、完全失業率では悪化の動きが一旦止まっている(図表6)。

 収入環境では、所定内給与額の伸びはプラス、現金給与総額と超過給与の伸びはマイナスが続いている。ただし、伸び率は、現金給与総額、所定内給与額、超過給与のいずれも、2020年5月を境に上昇を続けている(図表7)。

 消費マインドについては、消費者態度指数と景気ウォッチャー現状判断DIともに、2020年4月を境に改善の動きが続いている(図表8)。

 総合すると、消費は一時、底打ちから改善の動きがみられたものの長続きせず、再び落ち込んだまま低迷が続いている。

 スーパーの売上の伸びも、マイナスに転じている。日常生活財でプラスを維持しているのは、食料品や家具・インテリアなどの宅内充実関連支出のみである。

 耐久財では、昨年10月からの消費税増税の反動で新車販売の伸びが急上昇したことを除けば、伸びは概ねマイナスとなっている。

 雇用環境の悪化と収入環境の低迷は、依然として続いている。他方、消費マインドでは、際立った改善が認められる。

 内閣府が2020年11月16日公表した2020年7‐9月期のGDP速報(1次速報)によると、実質GDP成長率は前期比+5.0%、年率換算で+21.4%となった。だが、2020年7~9月期の成長率のプラス幅は2020年4‐6月期のマイナス幅を下回っている。景気は、コロナ下のダメージから回復しきれていない。

 一旦収束傾向にあったコロナウイルス新規陽性者数も再び上昇を続け、全国でも各都道府県でも、過去最高を更新している。

 事態が深刻化すれば、GoToトラベルなど各種キャンペーンによる需要の盛り上がりにブレーキをかけ、景気回復のシナリオにも狂いが生じてくることとなりかねない。

 2020年冬のボーナスの見通しは大幅なマイナスが予想されており、支給を見送る企業もあるといわれている。このままでは、景気回復への端緒をつかめないまま、年を越す公算が大きそうだ。


図表を含めた完全版を読む

完全版を読むには無料の会員登録が必要です。

特集:コロナ禍の消費を読む


参照コンテンツ


おすすめ新着記事



J-marketingをもっと活用するために
無料で読める豊富なコンテンツプレミアム会員サービス戦略ケースの教科書Online


お知らせ

2024.03.25

当社合田執筆の「猛スピードのクルマはいらない」 これからの高齢化社会に必要な“まちづくり”とは何か? そのヒントは欧米になかった!」がメルクマールに掲載されました。

新着記事

2024.07.19

企業活動分析 ライオン株式会社(2023年12月期) 増収も土地譲渡益の反動等で減益に

2024.07.19

企業活動分析 ユニリーバ(Unilever)(2023年12月期) 減収減益、事業部門の業績格差受け、新成長戦略を修正へ

2024.07.19

24年6月の「景気の先行き判断」は3ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.07.18

24年6月の「景気の現状判断」は4ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.07.17

MNEXT 円安は歓迎すべきかー過熱する円安論争

2024.07.16

企業活動分析 山崎製パン株式会社 23年12月期は大幅な増収増益で過去最高益に

2024.07.12

消費者調査データ スポーツドリンク・熱中症対策飲料(2024年7月版) 首位「ポカリスエット」、追い上げる「アクエリアス」

2024.07.11

24年5月の「消費支出」はふたたびマイナスに

2024.07.10

24年5月の「家計収入」は20ヶ月ぶりのプラス

2024.07.09

24年4月の「現金給与総額」は28ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2024.07.08

企業活動分析 大塚HD 23年12月期は売上は過去最高を記録、医療事業の減損損失で減益に

2024.07.08

企業活動分析 小林製薬の23年12月期は、R&Dや宣伝広告への積極投資を行い増収減益に

2024.07.05

成長市場を探せ 初の6,000億円超え、猛暑に伸びるアイスクリーム(2024年)

2024.07.04

24年5月は「完全失業率」は横ばい、「有効求人倍率」は悪化

2024.07.03

MNEXT コロナ禍の前中後の内食もどりはあったのか? -食欲望の現在-

2024.07.03

24年6月の「乗用車販売台数」は6ヶ月連続で前年割れに

2024.07.02

24年5月の「新設住宅着工戸数」は再びマイナスに

2024.07.01

企業活動分析 サントリーHD 23年12月期は二桁の増収増益、2年連続売上利益ともに過去最高を達成

週間アクセスランキング

1位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

2位 2017.09.19

MNEXT 眼のつけどころ なぜ日本の若者はインスタに走り、世界の若者はタトゥーを入れるのか?

3位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

5位 2024.07.03

MNEXT コロナ禍の前中後の内食もどりはあったのか? -食欲望の現在-

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area