イオンの2018年2月期連結決算は、営業収益8兆3,900億円(前年同期比2.2%増)、営業利益2,103億円(同13.8%増)となり、ともに過去最高を更新した。収益構造改革に取り組むGMS(総合スーパー)事業は、荒利益率の改善と経費の効率運用を推進し、すべてのセグメントの中で最大の損益改善となった。国際事業は、マレーシアと中国で新店をオープンさせたほか、展開各国におけるお客さまニーズへの対応を強化したことで営業黒字化を果たした。総合金融事業、ディベロッパー事業並びにドラッグ・ファーマシー事業も引き続き利益の柱として着実に伸長した。SM(スーパーマーケット)事業では農産品の相場安や10月の台風による既存店売上高への影響、社会保険適用拡大等に伴う人件費の増加や電気代の単価上昇等、厳しい環境が続いたが、地域のお客さまのニーズに対応した継続的な取り組みと生産性の改善を進めたことで当第4四半期連結会計期間には増益に転じた。また、経常利益についても14.1%増益の2,137億7,200万円と過去最高を更新し、すべての利益において「イオングループ中期経営計画」初年度の利益計画を達成することができた。今後は、それぞれの地域と事業においてNo.1企業へと革新を図るとともに、デジタル分野とアジア地域に資源を大幅に配分することで、持続的な成長と収益性の向上を実現し、グローバルトップ企業に伍する売上規模と利益水準を実現するグループを目指す。
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