キリンホールディングスの2024年12月期の連結決算は、売上収益2兆3,384億円(前年同期比9.6%増)、事業利益2,110億円(同4.7%増)、営業利益1,253億円(同16.6%減)であった。事業利益は増益となったが、FANCLの子会社化や、協和発酵バイオ(株)のアミノ酸事業の売却決定など、将来に向けた積極的な決断に加え、インドのビール事業の減損により、当期利益は大きく減益となった。ただし、将来に向けてのヘルスサイエンス事業拡大の準備は整った。事業別では、酒類事業は原材料等の高騰影響を受けたが、価格改定やコストコントロールによって相殺。日豪米で、注力ブランドへの投資の成果が出てきており、セグメント全体として増益。飲料事業は価格改定による単価上昇とコスト効率化により増益。ヘルスサイエンス事業は、協和発酵バイオはアミノ酸事業売却決定に伴う在庫評価減(約50億円)により赤字拡大となったが、Blackmoresの通年での取り込みとFANCLの4Q実績の取り込みでカバーして全体として増益。医薬事業は、グローバル戦略品の順調な成長により売上総利益は増加するも、研究開発費増加により、減益となった。長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」の最終ステージとなる2025年度からの3年間は、長期視点で3年目標を毎年ローリング、外部環境に最適なプランを柔軟に描き、構造改革フェーズから「成長実現ステージ」へと早期に移行し、高いEPS成長の実現を目指す。直近の2025年度は、協和キリンの研究開発費増などによる100億円を超える大幅減益の影響を、他事業がカバーすることにより、グループ全体では売上収益2兆4,400億円、事業利益2,120億円と増収増益を目指す。
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