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(2017.06)
クラフトビールはさらなる成長エンジンを見つけられるのか
プロジェクト・チーフ 川島史博



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 「とりあえず、生で」――。かつて飲み会で当たり前だったこの言葉が最近、聞かれなくなってきた。若者の飲み会では、1杯目から思い思いのカクテルやサワーを頼んでいる。各自の好みが尊重される時代にあって、ビールの消費量は減少に歯止めがかからない。そんな「多様化の時代」に人気となっているのが、各地の小規模醸造所が作る、個性あふれるクラフトビールだ。クラフトビールは、「とりあえずビール」から、自分の好みを探しながら楽しむお酒へと、ビールを変えつつある。業界内外から注目を集めるクラフトビールの可能性について、探ってみる。


1.苦境に立たされるビール

 大手ビール5社の発表によれば、2016年のビール類(ビール、発泡酒、新ジャンル)の課税数量は対前年比98.0%と12年連続で過去最低を更新、全社が前年を下回る結果となっている(図表1)。


図表1.ビールの生産量推移


 スーパードライ、ヱビスビール、プレミアムモルツ...各社が趣向を凝らした商品を出しているが、目隠しをしたら多くの人がその味の違いを認識できないだろう。それもそのはず、日本で流通しているうち9割以上はピルスナーという単一のスタイルで作られているからだ。高温多湿な気候や日本人の好みに合っており、定着したスタイルだが、そうした最大公約数的な好みを追求した結果、違いが分かりづらい商品ばかりになっていった。

  「ビールは苦く、おいしくない」が若者たちの言い分だ。「とりあえず、生」で無理をしてまで周りに合わせるのではなく、もっと楽に、手軽に自分好みを手に入れたいのだ。"今どきの若者"にとって、ビールは、時代にそぐわない飲み物なのかもしれない。


クラフトビール市場の成長を阻む三つの要因と再成長の鍵は?
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