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公開日:2021年12月27日

気になるあの街に行ってみた!
離島の玄関口「竹芝」がオシャレなウォーターフロントに大変身!
文・撮影/東郷奈穂子


 竹芝は近年、東京でもっとも激変しているエリアです。オフィスと観光が融合したこの街は、市場というよりも、未来の購買行動・小売店舗の姿が垣間見えるエリアと捉えることができます。

 2020年9月14日に開業した「ローソンModel T 東京ポートシティ竹芝店」は遠隔操作ロボット「Model-T」が働くCVSです。「Model-T」は、弁当やおにぎりなどの商品陳列を遠隔操作で行っています。そして、将来的にはAIに学習させることで完全自動化を目指しています。小売業の人手不足の課題解決のひとつの方法になっていくのではないでしょうか。

 もうひとつは、「セブン-イレブン東京ポートシティ竹芝オフィスタワー店」の自動車走行型配送ロボット「RICE(ライス)」の実証実験です。セブン-イレブンの商品をスマホで注文し、それを指定した場所まで無人配送してくれます。

 現在、CVSはラストワンマイル競争と言われるように、店舗から配送を行う激しいサービス競争を展開しています。今後、この仕組みを構築したところが勝ち残っていくと予想されています。このエリアでは、そのひとつの解決策をみることができます。

 竹芝は小売業の新しいビジネスの仕組みを体感できるエリアであり、マーケティングを考える上で非常に重要な場所になっています。今回は、この竹芝の特徴をご紹介します。

 写真集の仕事で三宅島へ行った。今回の仕事は、ある俳優のダイビングをメインとした写真集の編集だ。そんなわけで、三宅島ロケと相成った。三宅島へは、往きは調布飛行場からサクッと飛行機で向かったが、復路は暴風雨になったので急遽船に変更。約6時間かけて竹芝桟橋に到着したのだが、そこでまず、竹芝の街がとんでもなくオシャレなウォーターフロントだったことに驚いた。2020年は、「ウォーターズ竹芝」と「東京ポートシティ竹芝」が相次いで誕生。ラグジュアリーホテルや劇団四季の劇場などの大型施設も集結したことで、竹芝はまさに日本を代表するウォーターフロントへと生まれ変わったのだ。

 三宅島が嵐じゃなかったら竹芝に来ることもなかっただろうし、これもなにかのご縁。今回は新しい竹芝を歩いてみることにした。

 都営地下鉄大江戸線の大門駅から徒歩5分ほどのところにある「竹芝エリア」。ここが、今回の再開発で最も変貌したエリアだ。そこには、古くから東京港のゲートウェイのひとつとして機能してきた竹芝客船ターミナルがあり、伊豆諸島・小笠原諸島への船の発着場になっている。これまでは離島と本州を結ぶ場所として認識していた人が多いと思うが、2020年の再開発でそのイメージはガラリと変わった。


東京ポートシティ竹芝は最先端の複合施設

 2020年9月にオープンした「東京ポートシティ竹芝」は、40階建てのオフィスタワーと18階建てのレジデンスタワーから成る複合施設。オフィスタワーの低層階からは、空中の歩行者デッキ「ポートデッキ」を通じて、竹芝埠頭に直結しているのも魅力だ。低層階には、「竹芝グルメリウム」という飲食店街に約20軒のカフェやレストランが集まっているので、ここで働く人や近隣のビジネスマンのランチはもちろん、観光目的の方にも便利で美味しいスポットに。また、竹芝新八景をコンセプトに設計した「スキップテラス」は、多数の船が行き交う東京湾が展望できる景観スポットとして人気を集めている。

 さらに、展示室や会議室を有する「東京都産業貿易センター浜松町館」をはじめ、会員制シェアオフィス「ビジネスエアポート竹芝」なども整っているので、国際ビジネス拠点としての機能も万全。開発目標であった「世界一ビジネスをしやすい街」への基礎作りも完成したといえる。一階の「ローソンModel T 東京ポートシティ竹芝店」でも、最先端ビジネスタウンとしての要素を伺い知ることができる。こちらのローソンでは、商品陳列を遠隔操作ロボットが担当。店内も近未来的なイメージで統一されている。さらに、館内では自立移動型警備ロボット「SQ-2」が巡回。しかも、このロボット、エレベーターも使えるのだそう。こんなロボットをあちこちで見かける日もそう遠くないのだろうが、いやはや、あまりにロボットに活躍されるのも人間的にはどうなのか・・・。雇用制度の見直しは早急のテーマといえるようだ。

産業貿易センター浜松町館内ローソン
産業貿易センター浜松町館内ローソン

ウォーターズ竹芝は文化芸術の新拠点

 2020年6月に完成し、8月から動き出した「ウォーターズ竹芝」は、「アトレ竹芝」やラグジュアリーホテル「メズム東京 オートグラフコレクション」、「劇団四季」の三つの劇場などを有する大型複合施設。「次の豊かさを生み出す街」をコンセプトに、水辺や緑を活かしながらまちづくりした文化と芸術のエリアだ。

 施設は、タワー棟とシアター棟に分かれており、シアター棟には1998年から2017年までこの地で親しまれてきた劇団四季の専用劇場が「JR東日本四季劇場【春】【秋】」としてオープン。【秋】では現在、「オペラ座の怪人」を上演中。【春】では、6月から「アナと雪の女王」が上演されている。また、隅田川を周回する定期航路の船着き場と隣接しているプラザ(広場)とテラスには、ウッドテラスがあり、川涼みにもってこいの憩いの場に。観劇後は、シアター棟低層階にあるアトレのレストランやカフェで食事をしたり、テイクアウトしたフードをプラザでのんびり食べたり。

劇団四季 秋
劇団四季 秋

東京の南の島への玄関口「竹芝客船ターミナル」

 浜松町から徒歩8分ほどの場所にある竹芝桟橋。そこにあるのが伊豆諸島・小笠原諸島への「竹芝客船ターミナル」。ロビーがある一階の上には、眺めのいい臨海広場があり、島々へと行き交う船を眺めながら南の島への旅情に浸れる。さらに、ひとたび方角を変えればお台場の夜景も楽しめるので、ここは間違いなく都内の絶景スポットといえる。

 また、島へ行こうと行くまいと是非訪れたいのが、施設内にある「東京愛らんど」。

 ここは、伊豆諸島や小笠原諸島の島々の名産品が勢ぞろいするアンテナショップ。島に行く時間はないけど、あの時食べた島の味が忘れられない、なんていう人には恰好のショップだ。

伊豆諸島への客船ターミナル
伊豆諸島への客船ターミナル

 例えば、伊豆諸島の名産品なら、神津島の地のりや赤イカの塩辛、三宅島の生明日葉、八丈島の島のりや明日葉茶、大島の牛乳せんべいやツバキ油のハンドクリーム、青ヶ島のひんぎゃの塩やマツミおばあちゃんちの秘宝島だれ、新島のくさや素焼きなどが。また小笠原諸島なら、薬膳島辣油、島レモンクラフトチューハイ、オガスコ、ギョサン(漁業従事者用サンダル)などが人気のよう。

 さらに、個性豊かで種類豊富な島焼酎も要チェック。島で飲んだのをきっかけにハマる人も多いようだ。

 海苔、明日葉、くさやといった定番の名産品はもちろん、その島ならではの特産品が気軽に手に入るのも、このショップのセールスポイント。「東京愛らんど」で島の名物に触れ、またいつかきっと島へ行こう!と、思いを馳せる・・・。ひとときでも、そんなゆったりした時間を過ごせるのも竹芝ならではの魅力だ。

客船ターミナル内にあるお土産店
客船ターミナル内にあるお土産店

 そもそもウォーターフロント開発の先駆者は、アメリカ東海岸の都市ボルチモアといわれている。ボルチモアは、アメリカでもっとも歴史のある都市のひとつで南北戦争の舞台になった場所だ。アメリカ初の長距離鉄道が開通した1830年代、ペンシルバニア炭田の開発により工業が発展し、貿易港として栄えた。しかし、1960年以降は、衰退の一途。その打開策として立てられたのがウォーターフロント再開発計画だったという。内港には、レストランや水族館、美術館、約11キロのプロムナードがある。私も、実はニューヨーク在住時にボルチモアを訪ねたことがあるが、本当に魅力的な街だったのを覚えている。美しい町並みはもちろん、街全体がコンパクトにまとまっているのがよかった。私が訪れたのは、かれこれ20年以上前のことなので、まだ古き良き雰囲気も残っていたが、今はさらに近代的なウォーターフロントになっているようだ。

 ニューヨークにも、ブルックリンブリッジパークやドミノパークなど、いくつか素敵なウォーターフロントがあるが、個人的にオススメなのは「ピア17 サウス・ストリート・シーポート」。ここは、ロウワ―マンハッタンのイーストリバー沿いにある桟橋に作られたウォーターフロント。19世紀から国際海運、展示活動、魚の卸売り取引所としてニューヨークの輸出入業を支えてきた歴史的なエリアだ。2012年のハリケーン被害で大きな損傷を受けたのを機に2018年にリニューアル。その後は、ブランコ型のベンチなど遊び心あるデザインの遊具や家具が置かれ、アーティスティックな空間に生まれ変わった。

 実は私は、このピア17からワールドトレードセンターを眺める度に、今自分はニューヨークにいるんだという実感を噛みしめていた。果たして今はどんな景色が広がるのだろうか。竹芝のウォーターフロントで、ふとそんなことを思ったりした。


今回訪ねた街はコチラ!

著者プロフィール

東郷奈穂子

放送作家。
日本脚本家連盟、日本放送作家協会会員。
コピーライターから放送作家に転身後、日本テレビ「11PM」でデビュー。番組における最初で最後の女性作家に。テレビ、ラジオ、イベントなど数々の番組等に関わり、1993年渡米。NY、イスラエル、ロンドンでの約7年の居住を経て帰国。その後は、番組構成をはじめ、雑誌ライター、書籍の執筆、イベント運営など、幅広く活動している。既婚。2児の母。

コピーライター作品「フルムーン旅行」
放送作家作品「テレビ東京/出没!アド街ック天国」ほか


連載:気になるあの街に行ってみた!


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