キリンホールディングスの2018年12月期連結決算は、売上収益1兆9,305億円(前年同期比3.6%増)、事業利益1,993億円(同2.4%増)で2期連続の増収増益となった。原動力となった日本綜合飲料事業では、ブランドを絞り込んだ効率の高いマーケティングを実行。18年3月発売の「本麒麟」が販売計画を2度上方修正するほどの記録的なヒットとなった。主力の「一番搾り」も市場平均を上回るペースで販売数量を増加させるなど好調で、ビールカテゴリーが3年ぶりに前年比プラスを記録。RTDカテゴリーでも主力の「キリン 氷結」が堅調に推移したほか、4月発売の「キリン・ザ・ストロング」などが好調で、同事業は売上収益が前年同期比2.6%増、事業利益が同11.9%の増収増益となった。海外綜合飲料事業では、オセアニア綜合飲料事業に属する豪ライオン社の酒類部門が堅調に推移したが、低迷を続ける同社飲料部門の売却を決定、オセアニア事業は減収減益となった。海外その他綜合飲料事業では、ミャンマー・ブルワリーの販売数量増加などにより増収増益となったが、海外事業全体では増収減益となった。医療・バイオケミカル事業では、前年の植物成長調整剤事業譲渡の影響などにより減収減益となった。2018年までの中期経営計画では定量目標をすべて達成、「構造改革による、キリングループの再生」を実現したとし、2019年度は「新たな成長を目指した、キリングループの基盤づくり」を掲げた2022年までの中期経営計画を発表。中間持ち株会社のキリンを吸収合併、孫会社にあたる協和発酵バイオを子会社化するなど、組織改編を行い成長軌道を目指す。
参照コンテンツ
- 戦略ケース キリン「タップ・マルシェ」はクラフトビールの支配者となれるか(2019年)
- 戦略ケース 木内酒造:常陸野ブルーイング クラフトビールのパイオニアはローカルからグローバルへ(2018年)
- 戦略ケース クラフトビールはさらなる成長エンジンを見つけられるのか(2017年)
- 戦略ケース ビール市場の競争に異変 キリンの反撃はあるか(2014年)
- 戦略ケース ビール3社の震災後マーケティング(2011年)
- 戦略ケース 「アサヒビール」×「キリンビール」「スーパードライ」包囲網の誤算(2007年)
- 戦略ケース 2007年ビール回帰戦争勃発 キリン VS. アサヒ (2007年)
- 戦略ケース ローアルコール市場No.1を実現したキリンビールの戦略 (2006年)
- 消費者調査データ ビール系飲料(2018年6月版) 定着しつつあるクラフトビール人気、ファン層未確立のストロングビール
競合他社の業績と比較分析する
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