アサヒグループホールディングスの2018年12月期連結決算は売上高2兆1,203億円(前年同期比1.7%増)、営業利益2,118億円(同15.6%増)と増収増益であった。2016年に策定した「中期経営方針」のもとで、「『稼ぐ力』の強化」、「資産・資本効率の向上」、「ESGへの取組み強化」の三つを重点課題として、これまで推進してきた「企業価値向上経営」の更なる深化に取り組んだ。とくに国内に おける強いブランド基盤の拡大や収益構造改革の推進に加えて、海外では、欧州ビール事業を中心にプレミアム市場での成長基盤を拡大するなど、グループ全体で「稼ぐ力」を高めることができた。事業別には、酒類事業では、ビール類の販売数量が市場全体の縮小や前年の販促強化の反動などにより減少、RTD を中心としたビール類以外の強化や固定費全般の効率化などに取り組んだが、減収減益となった。飲料事業では、『カルピス』や『ウィルキンソン』などのカテゴリートップブランドの売上拡大に加え、操業度向上などによるコストダウンを推進したが、前期に売却したチルド飲料事業売却の影響等から減収減益。食品事業では、『ミンティア』などの主力ブランドの集中投資や原材料の低減などを図った結果、売上微増ながら増益となった。国際事業は、中東欧のビール事業の新規連結効果に加え、欧州事業全体が好調に推移したことから大幅な増収増益となった。 2019年12月期は、年初に制定した新グループ理念"Asahi Group Philosophy"、新たな「中期経営方針」に基づいて、国内外での高付加価値ブランドの育成やZBB (ゼロベース予算)の導入などにより『稼ぐ力の強化』 に努め、"グローカルな価値創造経営" を推進する。
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- 戦略ケース プラットフォーム発想を取り入れて、事業を活性化する(2013年)
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- 戦略ケース 出荷量過去最低でも全社営業増益 2008年のビール市場と2009年の展望(2009年)
- 戦略ケース 「アサヒビール」×「キリンビール」「スーパードライ」包囲網の誤算(2007年)
- 消費者調査データ ビール系飲料(2018年6月版) 定着しつつあるクラフトビール人気、ファン層未確立のストロングビール
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 試し飲みされるストロングビール 味訴求でロイヤリティ獲得が今後の鍵
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