エスビー食品の2018年3月期の連結決算は、売上高1,423億9,600万円(前期比3.3%増)、営業利益63億8,900万円(同19.1%増)と増収増益であった。食料品事業の売上高が増加したこと、また食料品事業、調理済食品ともに、引き続き原価低減に努めたことなどが寄与した。スパイス&ハーブ分野では、「S&Bシーズニング」シリーズの大幅な伸長や、洋風スパイスの堅調な推移等により、売上高は前期比5.6%増の259億200万円に達した。即席分野は、季節限定製品の販売などによる「ゴールデンカレー」やリニューアルした「濃いシチュー」が順調に推移したとともに、新発売の「とろっとワンプレート」シリーズの好調で売上高は同1.2%増の340億8,000万円となった。香辛調味料分野では、チューブ製品や中華調味料の順調な推移や加え、新発売の「きざみ青じそ」の寄与により、売上高は同3.1%増の334億3,500万円となった。インスタント食品その他については、「ホテル・シェフ」シリーズや「濃厚好きのごちそう」シリーズの順調な推移により、売上高は同4.9%の299億2,100万円となった。今後は、2017年に策定した新中期経営計画に基づき、当期に引き続き<スパイス&ハーブ>や主力製品を中心とした売上の伸長に努める。
企業活動分析レポートのダウンロードには有料の会員登録が必要です。
レポートでは企業の戦略や活動を当社独自のフレームに沿って時系列で整理しています。競合比較や業界分析などに幅広くご活用いただけます。
分析レポートのダウンロード
- バックナンバー

企業活動分析に関する基調論文
参照コンテンツ
- 戦略ケース 家庭用スパイス市場を巡る攻防 -エスビー・ハウス・ミツカン(2005年)
- 消費者調査データ レトルトカレー(2019年10月版)
咖喱屋カレーがククレカレーを逆転、6項目で首位に - 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第116号
デキる大人はカレー好き!?探究心やこだわり刺激する国民食 - 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第99号 伸びるレトルトカレー 品質向上がカレールーを脅かす
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事

2022年、値上げの春をどう乗り切るか
原材料高、原油価格高騰に端を発する値上げは様々な商品分野に波及し、コロナ禍で持ち直しつつあった消費マインドも再悪化が懸念されている。メーカーにとっても、値上げの巧拙が業績を左右する重要な局面だ。消費者ニーズを捉えて付加価値を高め、値上げ後も選択してもらえるような価格戦略・ブランドづくりが必要になってくるだろう。この値上げラッシュを乗り切り、物価上昇・消費低迷の市場環境下でも成長につなげるためのヒントを、当社が蓄積したケース・理論から紹介する。

強い「ハーゲンダッツ」、ファンつかむPB
家計調査によると、2021年の冷菓の支出金額は2年連続で1万円を超え、食糧費に占める割合も2年連続で過去最高となった。調査結果を見ると、店頭接触や購入経験など複数の項目で「ハーゲンダッツ」が首位に。特に3ヶ月以内購入では2位の「チョコモナカジャンボ」に9.7ポイント、今後の購入意向でも同じく「チョコモナカジャンボ」に9.3ポイントの差をつけた。

人種のるつぼ「川口市」 "本当に住みやすい街"は流通戦略の新たなモデルケース
テレワークの定着で職住分離が進み、生活者のライフスタイルが変化。それに伴い、人気のエリアも変わってきている。なかでも注目の街が、東京都北区に隣接する埼玉県川口市だ。川口市は、2021年度の税収が当初見込みより34億円上回る943億円になることを発表。コロナ禍で税収が落ち込む自治体が多いなか、バブル期以来の増額補正となった。買い物面では、都市型店舗と郊外型店舗が同居する"買住近接"エリアだ。居住者も多様で、ファミリーからシニア、日本人と外国人など、様々なライフスタイルが共存。多様性の街「川口市」には、今後の流通戦略のヒントを見出すことができる。



