花王の2017年12月期連結決算は売上高1兆4,894億円(前年同期比2.2%増)、営業利益2,048億円(同10.4%増)と増収増益となった。進化系「脱デフレ型成長モデル」の構築に向けて、マーケティング投資の効率化など資産の最大活用を進化させ、予定通りの業績を達成した。セグメント別にみていくと、コンシューマープロダクツ事業では、高付加価値商品の発売や提案型販売活動の強化などに取り組んだほか、Eコマースへの対応を強化したが、前期に対しほぼ横ばいの1兆2,160億円の売上となった。ビューティーケア事業では、化粧品ビジネスの大改革を進め、「ソフィーナiP」のアジア展開、「KANEBO」の欧州展開をスタートさせたほか、「ビオレ」の海外展開の本格化、「キュレル」の新商品の導入を進めたが前年同期比2.6%の売上減となった。ヒューマンヘルスケア事業では、「メリーズ」、「ロリエ」の海外での売上の伸長やオーラルケア製品の新商品投入もあり売上は同7.8%増となった。ファブリック&ホームケア事業では、衣料用洗剤の激しい競争環境の中、わずかに売上を落とした。ケミカル事業では、原材料価格の上昇に伴う販売価格の改定などに努めたことにより同13.3%増の売上となった。中期経営計画「K20」の2年目にあたる2018年度も、さらなる成長のための足掛かりを構築し、さらにグローバルで存在感のある企業を目指す。
参照コンテンツ
- 戦略ケース 花王CMK 郊外型ドラッグの発注見直し(2008年)
- 戦略ケース 変容するトクホ市場 ~第二の成長ステージへ(2008年)
- 戦略ケース 「花王」 × 「P&G」 取引条件透明化で値下げ圧力克服(2007年)
- 戦略ケース 花王株式会社 カネボウ買収の可能性と落とし穴(2005年)
- 戦略ケース 花王、国内では無名のブランドに340億の真意(2005年)
- 戦略ケース 健康エコナ参入!マヨネーズ戦争のゆくえ(2002年)
- 戦略ケース 花王株式会社-情報による売場活性化戦略(1987年)
- 消費者調査データ 洗顔料(2020年3月版) トップを走る「ビオレ」、ロイヤリティの高い男性用洗顔料
- 消費者調査データ 入浴剤(2020年3月版) 安定の「バブ」「バスクリン」、リピート意向の高い高付加価値製品
- 消費者調査データ シャンプー(2019年11月版) 上位を独占する定番ブランド、次のヒットの芽は?
- 消費者調査データ 衣料用洗剤(2019年11月版) 発売後半年、「アタックZERO」が6項目で首位獲得
- 消費者調査データ 日焼け止め(2019年7月版) ビオレ、アネッサ、ニベアサン、ヒートアップする日焼け止め市場得
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