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公開日:2022年07月27日

月例消費レポート 2022年7月号
消費回復は足踏み状態に-コロナと値上げの二重の足かせ
主任研究員 菅野 守

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 消費回復の動きは一旦足踏み状態となっている。
 支出全般はマイナスとなっており、特に実質での悪化が目立つ。日常生活財では外食で改善の動きが続いているが、小売販売は業態間で好不調の格差がみられる。耐久財は総じて低迷している。
 収入環境は改善が続いているが、雇用環境は方向感が定まらず、マインドは足許で悪化している。
 コロナ新規陽性者数は6月下旬を底に急増している。旅行に対する需要喚起策が中止・延期となっており、今夏の旅行・レジャーの回復の行方にも影を落としている。
 円安の動きにも転換の兆しは見えず、値上げのインパクトも、暫くは尾を引きそうだ。
 消費にとって、コロナと値上げは、回復への動きを阻む二重の足かせとなりそうだ。

 JMR消費INDEXは、2022年5月は66.7と、横ばいとなっている。近似曲線は、上昇トレンドを維持している(図表1)。

 INDEXを構成する個々の変数の動きも、前月4月と変わりがない(図表2)。

 消費支出の伸びは、名目と実質ともにマイナスである(図表4)。

 10大費目別では、2022年5月は、名目ではプラスの側がわずかに優勢だが、実質ではマイナスの側が優勢となっている(図表5)。

 販売現場では、小売業全体の売上は3ヶ月連続でプラスとなった。

 チャネル別では、業態間で好不調の格差がみられる。百貨店とコンビニはプラスで伸び率は上昇を続け、ドラッグストアは息長くプラスを保っている。他方で、スーパーと家電大型専門店はマイナスに転じ、ホームセンターはマイナスが長期化している(図表9図表10)。

 外食売上は、全体では6ヶ月連続でプラスとなった。

 業態別でも、ファーストフード、ファミリーレストラン、パブ・居酒屋の3業態全てで、3ヶ月連続のプラスである。特にパブ・居酒屋では468.9%と、極めて高い伸びを示している(図表18)。

 新車販売では、乗用車(普通+小型)と軽乗用車ともにマイナスが続いている(図表11)。

 家電製品出荷については、2022年5月は、黒物家電、白物家電、情報家電のいずれも、総じて不振である(図表12図表13図表14)。

 新設住宅着工戸数は、全体では15ヶ月ぶりにマイナスに転じた。

 利用関係別では、分譲住宅・マンションと持家でマイナスとなった。分譲住宅・一戸建てはわずかにプラスである(図表15))。

 三大都市圏別の推移をみると、持家もマンションともに、全ての地域でマイナスとなっている(図表16図表17)。

 雇用については、方向感が定まらない。有効求人倍率では改善が続いている一方、完全失業率は悪化している(図表6)。

 収入については、現金給与総額、所定内給与額、超過給与額の全てでプラスが続いている(図表7

 消費マインドについては、足許で悪化の動きがみられる。2022年6月は、景気ウォッチャー現状判断も消費者態度指数も、ともに低下している(図表8)。

 総合すると、消費回復の動きは一旦足踏み状態となっている。

 消費支出など支出全般はマイナスとなっており、特に実質での悪化が目立つ。

 日常生活財では外食で改善の動きが続いているが、小売販売は業態間で好不調の格差がみられる。耐久財は総じて低迷している。

 収入環境は改善が続いているが、雇用環境は方向感が定まらず、マインドは足許で悪化している。

 コロナ新規陽性者数は6月下旬を底に増加傾向に転じ、7月に入り急増した。7月21日には、過去最高を更新している。全国旅行支援や都民割などの旅行に対する需要喚起策も、一旦中止・延期となっている。期待されていた今夏の旅行・レジャーの回復にも、影を落としている。

 円安の動きにも、今のところ転換の兆しは見えない。値上げのインパクトも、暫くは尾を引きそうだ。

 消費にとって、コロナと値上げは、回復への動きを阻む二重の足かせとなりそうだ。


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特集:2022年、値上げをどう乗り切るか

特集1.値上げの価格戦略

特集2.値上げが企業の収益に与えるインパクトを分析

特集3.消費者は値上げをどう受け止めたのか?


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