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公開日:2021年03月19日

月例消費レポート 2021年3月号
消費は全体で足踏み状態が続くが、一部で持ち直しの動きもみられる
主任研究員 菅野 守

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消費は全体で足踏み状態が続いており、特に日常財で低迷が目立つ。
耐久財では、一部で持ち直しの動きがみられる。家電は、総じてプラスを保っている。新設住宅着工戸数は、持家やマンションが好調。特にマンションでは首都圏の牽引ぶりが際立つ。
雇用環境、収入環境、消費マインドでは再び改善の動きがみられ、消費を取り巻く状況にも持ち直しの兆しがある。

 JMR消費INDEXの水準は足許で50を下回っているが、近似曲線は2020年9月頃を境に上昇トレンドに転じている(図表1)。

 INDEXを構成する個々の変数の動きをみると、消費支出と平均消費性向は2020年12月以降、2か月連続で悪化が続いている。預貯金は3ヶ月連続で伸びがマイナスであり、貯蓄の取り崩しが続いている。販売関連10指標(チェーンストア売上高除く)は、悪化の側が若干優勢である(図表2)。2021年1月時点で前月と同様、改善となったものが4指標、悪化となったものが6指標だった。

 消費支出の伸びは、2020年12月以降2ヶ月連続で、名目と実質ともにマイナスが続いている(図表4)。

 10大費目別では、2021年1月の名目増減率は10費目中8費目がマイナス、実質増減率は10費目中7費目がマイナスだった。いずれもマイナスの側が優勢となっている。前月12月と比べても、名目と実質のいずれでもマイナスの費目が増えている(図表5)。

 販売現場では、日常財のうち、小売業全体の売上は2020年12月以降、2ヶ月連続でマイナスが続いている。スーパー、家電大型専門店、ホームセンター、ドラッグストアでは10月以降プラスを保っている。一方で、コンビニエンスストアと百貨店はマイナスが続いている(図表9、図表10)。

 外食の売上は、全体では2020年3月以降、マイナスが続いている。ファミリーレストランとパブ・居酒屋では3月以降、ファーストフードでは12月以降、マイナスが続いている。伸び率は全体でみても、10月をピークに低下が続いている。ファミリーレストラン、パブ・居酒屋でも、低下が続いている(図表18)。

 耐久財のうち、家電製品出荷は、AV機器、白物家電、情報通信機器のいずれも、総じてプラスを保っている(図表12、図表13、図表14)。

 新設住宅着工戸数は、全体ではマイナスが続いているが、伸び率は上昇傾向にある。利用関係区分別にみると、分譲住宅・一戸建てではマイナスが続いている。一方で、持家では2020年11月以降プラスが続いており、分譲住宅・マンションでは2021年1月に再びプラスに戻している(図表15)。

 足許でプラスとなっている持家と分譲住宅・マンションで、三大都市圏別に伸びの推移をみると、持家では、首都圏、近畿圏、その他では伸びはプラスであり、伸び率も上昇傾向を保っている。マンションでは、首都圏とその他で伸びはプラスであり、特に首都圏での伸びの高さが目立つ(図表16、図表17)。

 新車販売の伸びは、乗用車(普通+小型)では2021年2月にマイナスに転じたが、軽乗用車では2020年10月以降プラスを保っている。ただし伸び率は2020年10月をピークに、その後は低下傾向にある(図表11)。

 雇用環境では、再び改善の動きがみられる。2021年1月時点で、有効求人倍率は再び上昇しており、完全失業率も低下の動きをみせている(図表6)。

 収入環境では、所定内給与額は2021年1月に3ヶ月ぶりにプラスに戻している。現金給与総額は2020年4月以降、超過給与は2019年9月以降、マイナスが続いている。伸び率は、超過給与や所定内給与で上昇が続いており、現金給与総額でも上昇に転じている(図表7)。

 消費マインドについては、消費者態度指数と景気ウォッチャー現状判断DIともに、2021年2月に再び上昇に転じている(図表8)。

 総合すると、消費は2020年12月以降、足踏み状態が続いているが、耐久財を中心に、一部で持ち直しの動きもみられる。

 日常財では2020年12月以降、マイナスが続いている。耐久財では、家電製品出荷はプラスを保ち、新設住宅着工は持家やマンションが好調であり、特にマンションでは首都圏の牽引ぶりが際立つ。

 雇用環境では、再び改善の動きがみられる。収入環境でも、悪化の動きに歯止めがかかりつつある。消費マインドも、悪化から改善の動きに転じている。消費を取り巻く状況にも持ち直しの兆しがある。

 報道によると、政府は、3月21日まで延長された1都3県に対する緊急事態宣言を、期限通り3月21日で解除する方向で、調整が進められている模様だ。

 一部メディアでは、宣言解除後にコロナウイルス新規陽性者数がリバウンドする可能性や、ワクチン接種のスケジュールが遅れる見込みに対し、懸念が示されてはいる。それでも、こうした下振れリスクは既に認識されているため、十分に対処のしようがある。

 他方で、「コロナ後」のV字回復シナリオへの準備が不十分だと、チャンスを逸する可能性が高い。チャンスを活かすために、そうした上振れリスクの中身を具体的に考えてみることが求められる。


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