サッポロホールディングスの2022年12月期の連結決算は、売上収益4,784億円(前年同期比9.4%増)、事業利益93億円(同14.4%増)、営業利益101億円(同54.1%減)であった。北米を中心とした海外酒類の成長、国内酒類・外食事業における業務用回復により増収、事業利益は構造改革効果が寄与した外食事業や食品飲料事業が増益となり全体でも増益となったが、営業利益は前年の投資不動産の売却益の反動等により減益となった。事業セグメント別にみると、売上の70%を占める酒類事業ではビール・RTDの強化を継続、Stone社の子会社化等により大幅増収(前年比15.5%増)。食品飲料事業では、カフェ事業の売却、郊外型自販機オペレーター子会社の清算等、「成長分野への経営資源シフト」に向けた構造改革を実施した結果、売上収益は減収(同2.0%減)であった。不動産事業は、「恵比寿ファーストスクエア」の売却や「恵比寿ガーデンプレイス」での空調更新工事による稼働率低下等により、減収(同5.2%減)となった。2023年度からは、グループビジョン「世界に広がる『酒』『食』『飲』で個性かがやくブランドカンパニーを目指す」のもと、「Beyond150 ~事業構造を転換し新たな成長へ~」を基本方針とする「中期経営計画2023~26」がスタート、初年度となる2023年度については、企業価値向上への具体的な取組みを推進、着実な実行により売上収益4,900億円、事業利益135億円、営業利益95億円を見込む。
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