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(2008.07)
価格据え置きでサッポロ逆転
サントリーのビール事業、黒字化なるか



 2008年4月のビール系飲料(ビール、発泡酒、第3のビール)の出荷量(課税ベース)において、サントリーがサッポロビールを上回った。1992年に現行の統計が始まって以来初のシェア逆転である。さらに5月の出荷量でもサントリーは「金麦」「ジョッキ生」など第3のビールが好調で前年同月比72%増と高い伸びを記録した。対するサッポロビールは前年割れとなっており、その差は拡大したと推測される。

 シェア逆転の最大の要因は「価格」である。昨今、原油など原材料の価格高騰により、多くの食品メーカーは値上げに踏み切らざるを得ない状況となっている。ビール業界でも08年2月にキリンビール、3月にアサヒビール、4月にはサッポロビール、サントリーと相次いで値上げに踏み切った。こうした中、サントリーは他社が全商品を対象としたのに対し、容器別の値上げを実施した。具体的には樽と瓶は値上げしたが、缶入りは価格を8月末まで据え置いたのである。
 サントリーの佐治信忠社長は缶入りの価格据え置きについて「ビールシーズンをまたいで、我々の商品を飲んだことがない人に試してもらいたい」と語るなど、この現状を絶好の好機と捉えた戦略的な価格設定であることを認めている。
 食品に限らず多くの生活関連商品で値上げが続いているため、消費者は価格に敏感になっており、生活防衛意識が高まっている。5月の出荷量では、低価格を売りとする第3のビールの出荷量が発泡酒を抜いた(第3のビール984万ケース、発泡酒976万ケース *1ケースは大瓶換算で20本)。これは06年5月の第3のビール増税前の駆け込み需要期を除けば初めてのことである。最需要期である7、8月までこの状況が続けば低価格志向層の支持が高い第3のビールで価格優位にあるサントリーがシェアを伸ばす可能性が高い。

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