
継続的に生活者が買い物に利用する業態(チャネル)についても、「消費者社会白書2020」では調べている。生活者全体で自宅から30分以内に利用できるチャネルの上位は、食品スーパー78%、コンビニエンスストア(以下CVS)71%、ドラッグストア64%の順である。この上位三つをいずれも利用できるという率は56%と過半数をカバーしていた。歴史的に先行して立地している食品スーパーに加えて、CVSやドラッグストアの全国的な出店が進んでいる。結果として、日常的に利用できるチャネルが揃ってきて、業態間の競争が激化していることがわかった。

実際に週に1回以上利用している業態別をみてみると、食品スーパーが62%と最大であり、CVS、大型総合スーパー、ドラッグストア、ネットが続く。これを居住地域、都市規模などの地域特性と、ライフステージなどの生活者属性別に比べてみると、五つのチャネルのどれもが、ライフステージなどの生活者属性による利用率の差の方が大きくなっていた。同時にチャネル別に利用顧客層が異なることもわかってきた。
次に上位チャネルの競争関係をみてみよう。生鮮食品、加工食品、調理食品、飲料などのカテゴリー別にチャネル毎の利用率をみると、いずれも食品スーパーがトップと強さを発揮している。
だが、飲料では食品スーパーに次いでCVS、ドラッグストアの購入率が上がってきている。この3業態が利用可能な層に絞って、性別・ライフステージ別にみてみると、男子中高・大学生層ではCVSが食品スーパーを大きく上回り、飲料のメインチャネルになっていることがわかった。
これらの事実は、個別の商圏内で、チャネル・個店毎に、生活者の属性をどのように捉えて(セグメンテーション)、どの層に焦点をあて(ターゲティング)、品揃え等を含めてどのように対応していくかを明確にすることが、非常に重要になることを示唆している。
「消費社会白書2026」のご案内

長く停滞していた日本の消費が、いま再び経済成長の牽引役として動き始めている。ようやく日本の消費は、「もはやバブル後ではない」と言える新たな局面に入った。
「消費社会白書2020」特別コンテンツ
- 見えてきた21世紀の消費―中流家庭から「豊潤生活」への転換
- 団塊3代の消費物語―中流家庭の成長と成熟、そして、豊潤生活へ
- 階層化し、サービス化する消費
- 生活に浸透するスポーツ
- 食生活の現実と理想
- すすむ食品チャネルのせめぎ合い
「ネクスト戦略ワークショップ」講演録
参照コンテンツ
- MNEXT 眼のつけどころ 高収益な市場プラットフォーム事業をどう創出するか?-MSP事業創出作法
- MNEXT 眼のつけどころ 高収益な市場プラットフォーム事業をどう創出するか?-MSP事業創出作法
- MNEXT 眼のつけどころ 次の時代のマーケティング戦略を考える (4)セグメントをうまく理解すれば、収益が上がり、20年先も読める
- MNEXT 眼のつけどころ 次の時代のマーケティング戦略を考える (3)営業の再起動とマーケティングによる市場創造の可能性
おすすめ新着記事

成長市場を探せ 自己表現ツールとしてのフレグランス 浸透をAIも後押し?!
フレグランス市場の成長が止まらない。拡大のきっかけは、コロナ下での癒し需要だったが、今や自己表現としての側面が強いとみられている。特に若年層は、「推しのイメージや推しの好みの香り」や「自分だけの香り」を求め、様々な商品を試しているという。

消費者調査データ 「ビオレUV」独走、全項目で首位。「アネッサ」「ニベアUV」に差をつける
日焼け止めブランドの調査結果を見ると、「ビオレUV」が三ヶ月内購入や購入意向などで2位以下の倍以上のスコアでトップを独走。「ニベアUV」や「キュレルUV」などその他の花王のブランドも上位に食い込んだ。

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 冷凍野菜は「手抜き」じゃない 食意識の高い人ほど選ぶ、新しい食卓の定番
拡大を続ける冷凍食品市場。冷凍野菜はどのような層が牽引しているのかを探ってみると、既婚子育て層や管理職で購入率が特に高く、全体を大きく上回ってた。購入頻度の増加率をみると、階層意識が中の上以上で突出して高く、経済的に余裕のある層が積極的に取り入れている様子がうかがえる。


![戦略家のための知的羅針盤[エム・ネクスト]product by 松田 久一](/img/mnext-sub-title.png)