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公開日:2020年01月16日

第13回 ネクスト戦略ワークショップ 講演録
豊潤生活と食の現実
本コンテンツは2019年11月14日開催した「ネクスト戦略ワークショップ」の講演録に加筆・修正を加えたものです。
ディレクター 大場美子

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 サザエさんに代表されるような「中流家庭」のライフスタイルが分解し、「経験満喫」や「富裕階級」「サービス重点型」といったライフスタイルが生まれています。「消費社会白書2020」では、財の所有パターンを分類して、ライフスタイルを構成しました。

 持ち家か賃貸か、クルマを所有しているか、冷蔵庫や大型テレビのような物的財をどれほど持っているか、サービス支出にどれほどお金をかけているか。そういった条件を、この分類に使っています。


中流家庭以後の豊潤生活への転換

 かつて多くの人が目指した「中流家庭型」のライフスタイルに属する人は、全体の16.6%でした。持ち家やクルマと多くの家電製品を所有し、外食やスポーツ観戦などのサービス支出がほかと比べるとそれほどありません。おそらく昭和の時代は、ここに属する人の割合がもっと高かったと思われます。大多数の人が所属していた中流家庭型は、いまでは全体の中のひとつのセグメントにすぎなくなっています。

 この中流家庭型よりも大きくなっているのが、「経験満喫型」と「ミニマムライフ型」です。

 「経験満喫型」は、サービス支出も旺盛で、物的財も豊富に持っています。この層は18.3%です。属性でみると、子育て層から子供が独立したファミリー層の割合が高いです。一方、「中流家庭型」は、ライフステージでいうと子手離れ層や子独立層が多くいます。

 20代30代の若い層では、「ミニマムライフ型」に属する人が多いです。家は賃貸、収入は400万円以下、生活レベルは上中下の「下」と答える人が多いのも特徴です。居住地域をみると、東京23区の比率が1番高くなっています。規模としては最大の19.8%です。

 昭和の時代であれば、社会人になって最初は賃貸でミニマムライフ。結婚して、子供が生まれると、持ち家やクルマなどを購入します。これが、ひとつの従来型ライフスタイルのプロセスでした。

 しかし、現代はいくつかの選択肢が存在します。

 今回のテーマになっている「豊潤生活」というのは、特定のタイプを示しているわけではありません。サービス財への支出が高く、豊かな生活をしている人たちを表しています。そういったライフスタイルへの転換がだいぶ進んでいると考えられます。


スポーツを行う目的は人それぞれ

 次に、現代人の生活とスポーツの関係を見てみます。ラグビーワールドカップ日本大会、2020年の東京オリンピックと、ビッグイベントが続きます。そうした観点から、スポーツを消費社会白書で取り上げることにしました。

 1年間にスポーツを行ったかを尋ねたところ、46%の人が何らかのスポーツを行ったと答えました。また、テレビやインターネットを通じてスポーツ観戦をした人の割合は53.4%、会場観戦をした人の割合は19.4%でした。



図表1.スポーツをほぼ半数が実施し、観戦している



 これを詳しく見ると、実施しているスポーツの種類で1番多いのはウォーキングで21.2%でした。ストレッチ、筋力トレーニングと続きます。競技スポーツの実施率は野球が1番高かったのですが、割合は4.6%と低いです。テレビ・ネット観戦で、最も比率が高いのは野球で33.2%です。次いで、サッカー、テニス、水泳となります。これは、TV放映の有無が大きく影響しているといえます。

 今回の消費社会白書の調査は、ラグビーワールドカップが始まる前の今年7月に実施しました。ラグビーの実施率に対する回答は、2,000人中6人でした。テレビ観戦をした人の割合は、3.6%。ところが、日本対南アフリカのTVの平均視聴率は41%でした(ビデオリサーチ調べ)。

 経験満喫型や富裕層型などの人たちは、全体よりもスポーツ実施率が高かったです。これは、会場観戦率についても同様です。

 スポーツの魅力は、人それぞれです。フィジカルを鍛える、セルフコントロール力を高める、集中力を養う、コミュニケーションを楽しむなど多様です。このように幅広い目的をカバーしてくれるというのが、スポーツの魅力ではないでしょうか。豊潤生活の中で、スポーツというものの価値が高まっていく可能性があります。


次は「変化する現代人の食生活」
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