永谷園ホールディングスの2021年3月期の連結決算は、売上高1,026億円(前年度比2.3%減)、営業利益47億円(同37.0%増)と減収増益となった。2020年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による環境変化をふまえ、安定的な商品の供給を最も優先すべき課題とし、引き続き「企業戦略の充実」と「新価値提案力の更なるアップ」を経営課題として取り組んだ。「企業戦略の充実」については、新しい時代に応じた企業戦略を展開する準備のため、環境の変化に耐えうる経営基盤の強化を最優先に推進。また、「新価値提案力の更なるアップ」については、これまでとは大きく変化した消費者ニーズに応えるべく、「おうちごはん」を手軽に楽しく過ごすためのアレンジレシピの提案などを積極的に行うことで、新たな食生活スタイルへの対応に努めるなど、新しい未来を創るための商品開発を推進するために組織体制の見直しにも取り組んだ。セグメント別には、国内食料品事業は主力のロングセラー商品を中心にファン層の拡大や購買意欲の促進に努め、売上高692億円(前年度比0.3%減)。海外食料品事業では顧客ニーズに合わせたフリーズドライ商品の研究開発と品質向上及び販売拡大に取り組んだ結果、売上高241億円(同1.7%増)。中食その他事業は売上高92億円(同22.3%減)となった。次年度も更なる業績向上に向け、引き続き同様の経営課題に取り組んでいく予定だ。
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