サントリーホールディングスの2021年12月期の連結決算は、売上収益2兆5,592億円(酒税込み・前年同期比8.1%増)、営業利益2,475億円(同14.0%増)と増収増益となった。新型コロナウイルスが事業活動に大きな影響を与えたが、主に海外での売上回復が牽引、売上収益についてはほぼコロナ前の2019年実績まで回復した。売上比率で49%を占める「飲料・食品」セグメントでは、国内で水、コーヒー、無糖茶カテゴリーを中心にコアブランド強化に取り組み、新商品発売やマーケティング活動を行った結果、販売数量は前年同期を上回り、市場シェアを拡大。アジア・オセアニア、欧州、米州の各エリアでも主力ブランドが牽引し、売上収益は前年同期を大きく上回った。売上比率41%の「酒類」セグメントでは、ビール事業は飲食店での需要が落ち込んだ影響を受け前年割れとなったが、スピリッツ事業は海外でのプレミアム商品、国内でのRTDの販売が好調で前年同期比1割程度の増収となり、売上収益は前年同期比108.3%となった。その他セグメントは、外食事業が振るわなかったものの、健康食品事業では「セサミン」シリーズや「ロコモア」などが好調で、売上・利益ともに前年を大きく上回った。現在、2030年ビジョンとして「世界で最も信頼され、愛される、オンリーワンの食品酒類総合企業」を掲げている。2022年12月期はグループトータルでの売上成長を目指し、将来に向けた戦略的な投資も積極的に行う計画で、3セグメントともに増収を見込み、売上収益が8.5%増の2兆7,780億円、営業利益が0.2%増の2,480億円を目指す。
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