マルハニチロの2023年3月期の連結決算は、売上高1兆205億円(前期比17.7%増)、営業利益296億円(同24.2%増)、経常利益335億円(同21.4%増)と増収増益となった。魚価の上昇や加工食品の価格改定を受けて、売上高は年間計画を大幅に上回り、経営統合以来、初めて1兆円を達成した。水産資源事業セグメントは、魚価の回復や相場上昇、販売数量などの増加による第3四半期までの好業績によって、全てのユニットで増収増益となった。漁業ユニットはメロを始め主要魚種の販売好調により増収となり、魚価の回復により増益。養殖ユニットは、量販店や外食向けを中心としたブリ、カンパチの販売数量増加とコロナ禍で下落した売価の回復に加えて、マグロを始め主要魚種相場の更なる上昇により増収増益。水産商事ユニットは外食・業務用向け販売の回復に加えて、水産物全般の堅調な魚価に支えられ、増収増益。海外ユニットはペットフード事業(タイ)と、スケソウダラ事業(北米)が業績を牽引し増収増益。加工食品セグメントと食材流通ユニットは、コストアップに対して値上げを実施し増収となったものの、コストアップ分を期中にカバーすることができず、減益となった。物流セグメントでは、大都市圏を中心とした保管需要を着実に取り込み、増収増益。中期経営計画「海といのちの未来をつくる MNV 2024」の2年目となる2023年度も、再定義した長期経営ビジョンの実現に向けて、引き続き「経営戦略とサステナビリティの統合」「価値創造経営の実践」「持続的成長のための経営基盤強化」に取り組む。2024年3月期はインフレによる欧米経済の失速を踏まえ、上期は苦戦するものと見込み、通期計画は売上高9,800億円、営業利益270億円と減収減益としている。
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