ノープリントプライスとは、商品やパッケージに標準小売価格、メーカー希望小売価格などの価格を表示しない方式のことを言います。
類似語として存在する「オープン価格」の場合、販売する商品について、メーカーは希望小売価格を具体的に定めておらず、小売店はメーカーからの仕入れ価格に小売店が決めたマージンを上乗せして実販売価格を決めることになります。家電製品などでは早くから行われている方式です。
一方、ノープリントプライス方式の場合は、メーカーから各小売店に対して、書面などで「参考価格(小売店の価格付けの参考にしてもらうための価格)」が提示されます。実販売価格の設定を全面的に小売業者に任せるオープン価格とは異なり、メーカーは小売店に対して、小売価格決定に関する実質的な影響力を及ぼすことが可能になります。
2005年8月に発売された、資生堂のメガブランド「マキアージュ」で「ノープリントプライス方式」が採用され、現在化粧品業界の各社にも広がっています。
化粧品業界がノープリントプライス方式の導入に動き始めた背景としては、ドラッグストアを中心に、定価の2~3割引きが当たり前になっているという状況があります。百貨店のカウンターでカウンセリングをしてもらい、サンプルをもらい、ドラッグストアで買うという人も珍しくありません。
このような状況への対抗策として、ノープリントプライス方式は導入されており、方式を採用した商品では、「定価の○割引」といった販売はできなくなるため、過度な値引き合戦でブランドイメージが傷つくのを防ぎ、慢性的な値崩れに歯止めがかかるとの期待感が持たれています。
化粧品業界最大手の資生堂が動いたことで、今後「ノープリントプライス方式」への動きはさらに本格化することが予想され、他の業界を含めた動向が注目されます。
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