製品ラインのランクに応じて多段階な価格設定をするもので、この価格ランクをプライス・ラインや価格線ということから、価格ライン政策とも呼ばれます。例えば、ネクタイなどで見られる、3,000円均一、5,000円均一、一万円均一などが典型例で、普及品・中級品・高級品といったランクを設定し、そのランクに応じて同一価格を設定する方法です。
プライス・ライニングは、多品種の製品を販売していて、個々の製品について個別に価格設定をするのではなく、製品ライン全体で利益最大化を狙う価格設定をする場合に用いられます。
消費者にとっては、いくつかの価格ランクに分かれていると、自分自身の価値判断と合致した価格帯の製品を容易に選択できる一方、逆に、実勢価格がよく分からない場合は、選択が難しくなることもあります。
プライス・ライニングという視点に立つと、顧客の購買力の格差(ランク)を想定した製品ラインを構築するという切り口が得られます。特に、機能や性能など分かりやすい製品属性によるバリエーション化が可能な場合、様々なバリエーションを同一価格に設定するのではなく、顧客の購買力ランクに適合させたいくつかの価格帯で設定することで、これまでと異なる製品体系を開発することができます。例えば、自動車では同一車種でも多数のグレードが準備されています。
一方、企業としては、高い価格帯を設けることで普及品の安さを訴求したり、安い価格帯をラインナップすることで、高い価格帯の製品の高級感を打ち出すことができます。ただし、設定するそれぞれの各価格帯は、その価格帯における機能や性能、品質、グレードなどを代表するものとなるため、消費者が明確に品質差が認識できるだけの価格差になるよう工夫する必要があります。
参照コンテンツ
関連用語
- マーケティング用語集 スキミングプライス
- マーケティング用語集 ペネトレイティングプライス
- マーケティング用語集 オープンプライス
- マーケティング用語集 プライスリーダー
- マーケティング用語集 製品ラインにおける価格設定
- マーケティング用語集 需要の価格弾力性
おすすめ新着記事

消費者調査データ No.397 シャンプー(2023年12月版) 「パンテーン」と「ラックス」、僅差の競り合い
コロナ禍によるインバウンド需要喪失からゆっくり立ち直りつつあるシャンプー市場。調査結果は「パンテーン」が複数項目で首位を獲得したが、2位の「ラックス」との差はごくわずかで競り合いが続いている。国内メーカーでは、独立系の専業メーカーが独自のコンセプトで高いリピート意向を獲得している。

成長市場を探せ 「巣ごもり」後も割安感で堅調な家庭用冷凍食品(2023年)
2022年の家庭用冷凍食品の生産量は、前年比100.8%となる80万5,000トンで、8年連続拡大、過去最高を更新。22年からの食品全般の値上げのなかで、簡便化志向や節約志向から利用が継続されているとみられている。

消費者調査データ レトルトカレー(2023年11月版) 首位は咖喱屋カレー、リピートされる調理対応カレー
コロナ禍以降、家族の食卓への浸透が一層進んだレトルトカレー。調査結果では、咖喱屋カレーがトップを堅持する一方、再購入意向では調理対応カレーやコスパに優れるPBが上位に。家族食としての定着を裏付ける結果となった。



