
家庭用の電気掃除機は、2019年および20年2月までは前年並みの水準にあったが、新型コロナウイルスの感染拡大が顕著になった3月に大きく伸び、その後も4ヶ月連続でプラス、うち3ヶ月は2桁の伸びとなっている(経済産業省「生産動態統計」)。

掃除機の伸びには、在宅時間の増加が大きく関わっている。小中学校の休校や在宅勤務などで、子供や家族が家にいる時間が増えたことで、ほこりや髪の毛などが増えたことや、昼間の在宅時間でほこりなどが気になるケースが増えたことなどから、掃除機の需要が高まったとみられる。特に注目されているのが、手軽に使える充電式のスティックタイプや、手間がかからず精神的にも余裕がもてるロボット掃除機などだ。さらに、新型コロナウイルス感染拡大を背景にした清潔意識の上昇も、掃除機需要を後押しする。メーカー側もこれに対応、新商品の投入が相次いだ。学校は再開されたものの、在宅勤務の定着などで掃除機の需要は堅調が続くとみられている。
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