アサヒグループホールディングスの2020年12月期連結決算は売上高2兆278億円(前年同期比2.9%減)、営業利益1,352億円(同32.9%減)と減収減益であった。 各事業の主力ブランドの価値向上や新たな価値提案などを強化するとともに、新型コロナウイルスへの対策に取り組んだ。事業別には、酒類事業では家飲み需要を取り込んだ新ジャンル・RTDの売上は前年を上回ったものの、新型コロナの感染拡大により、飲食店向けのビールの売上が大幅に減少したことで減収減益。飲料事業は炭酸飲料の販売数量が前年を上回ったが、やはり新型コロナの影響で自動販売機での売上が減少したことなどから、減収減益となった。食品事業は健康・美容食品やフリーズドライみそ汁などの売上が前年を上回ったものの、オフィス勤務の減少に伴い「ミンティア」の売上が大幅に減少したことなどから、減収減益となった。国際事業は CUB事業(AB InBev社の豪州事業)の連結効果により4事業のうち唯一増収となったが、業態別の売上構成比の変化による収益性の悪化や、CUB事業取得に伴う一時費用の発生などにより減益となった。2021年度は、新たに更新した「中期経営方針」に基づいて、全事業での高付加価値ブランドの育成や環境変化を見据えた収益構造改革の加速などにより『稼ぐ力の強化』に努める。また、イノベーションや新価値創造に向けた無形資産(研究開発、人材力等)への投資強化に加え、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を加速させ新たなオペレーティングモデルを構築。『経営資源の高度化』『ESGへの取組み深化』を図り、引き続き「Asahi Group Philosophy」に基づく"グローカルな価値創造経営"を推進する。
参照コンテンツ
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- 戦略ケース 「アサヒビール」×「キリンビール」「スーパードライ」包囲網の誤算(2007年)
- 消費者調査データ ノンアルコール飲料(2021年3月版) 「オールフリー」「ドライゼロ」がしのぎを削る
- 消費者調査データ RTD(2021年2月版) 強い「ほろよい」「氷結」、躍進する「檸檬堂」
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- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 酒税改正でどうなる!?家呑みカテゴリー間競争(2020年)
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競合他社の業績と比較分析する
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