2020年はどんな1年だったのか。「トピックス」「人物」「歌」「商品」、「流行語」の切り口から、J-marketing.net的に整理する。なお、回答はすべて「自由記述(各問1回答ずつ)」である。
印象に残った出来事
2020年、印象に残ったできごとは、圧倒的に「新型コロナウイルスの感染拡大とその影響」である。有効回答者のうち、88.1%が「コロナ」もしくはその影響をキーワードとして挙げている。内訳は、「新型コロナウイルスの感染拡大」そのものを挙げた人が80.1%、感染拡大の結果として「東京オリンピック・パラリンピックの延期」が3.5%、「緊急事態宣言/自粛」などが1.9%となっている。それに続く「鬼滅の刃」が3.8%にとどまっていることを考え合わせれば、コロナ禍に塗りつぶされた1年だったといえる。
印象に残った人物
首位は17.7%で「志村けん」。こちらもコロナ禍の影響が強く出た結果となっている。逝去が3月と、調査時点から半年以上が経過しているが、日本を代表するコメディアンがコロナに斃れたインパクトはそれだけ大きかったといえる。2位は17.5%「ドナルド・トランプ」。任期中は毎年のようにランキングに顔を出す話題の人だが、今年はアメリカ大統領選挙の不正投票アピールなどでさらに話題を振りまいた感がある。ちなみに勝利宣言を行った「ジョー・バイデン」は2.1%で10位となっている。
印象に残った歌
1位は「香水(瑛人)」。発売は昨年で当初はあまり注目されなかったものの、Tik Tokでの歌ってみた動画などの投稿をきっかけに注目が集まった。2位と3位は「鬼滅の刃」関連だ。2位はTVアニメ「鬼滅の刃」の主題歌「紅蓮華(Lisa)」で25.9%、3位が劇場版の主題歌「炎(ほむら)(LiSA)」で6.5%となった。ベスト10内のタイアップ曲は全部で6曲、今年もSNSでの人気や、タイアップ曲が強かった。
印象に残ったヒット商品
1位は「マスク」。今年上半期のマスク不足や、それに伴う便乗値上げ、転売、その後のシャープやユニクロなどからの発売と、今年はマスクに関する話題が続いたこともあり、52.1%と過半数の獲得となった。2位は「鬼滅の刃」の30.8%。アニメも高視聴率を獲得、映画版の興行収入は公開から45日間で観客動員2,053万人超、興行収入275億1,200万円超を記録し、大ブームとなった。3位以下は1桁台の回答率だが、ゲームソフト「あつまれどうぶつの森」や「消毒液/除菌グッズ」、「Zoom」などが入った。
印象に残った流行語
この項目でも、新型コロナウイルス関連が圧倒的だった。「コロナ / コロナ禍」が29.1%、「三密 / 密です」が19.7%、「ソーシャルディスタンス」が12.0%などで、コロナ関連を合計すると80.1%にのぼった。ヒット商品や印象に残った歌でも上位に入った「鬼滅の刃」は、作中の用語も含め、合計で14.5%。3位以下は1%台で、新型コロナウイルスのインパクトがここでも大きかった。
2020年は、新型コロナウイルス一色に塗りつぶされた1年だったといえる。ワクチン開発などのニュースはきかれるものの、現時点で終息のめどは立っていない。2021年には延期された東京オリンピック・パラリンピックの開催も予定されてはいるものの、先行きへの不透明感は強いといえる。
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ-->
調査概要
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2020年11月12日(木)~11月17日(火)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,013サンプル
サンプル構成(%)
今年のヒット商品 バックナンバー
- 改元、ラグビー、タピオカ――。2019年、印象に残ったもの
- サッカーワールドカップ、安室奈美恵、そだね~――。2018年、印象に残ったもの
- ブルゾンちえみ、逃げ恥、ニンテンドー スイッチ――。2017年、印象に残ったもの
- 米大統領選、ピコ太郎、ポケモンGO――。2016年、印象に残ったもの
- IS、五郎丸、iPhone6――。2015年、印象に残ったもの
参照コンテンツ
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第120号
ウィズ・コロナ時代の新たな食生活 増える女性の調理負担 - 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第119号
"自粛"で変わる購買行動とライフスタイル - 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 特別編
新型コロナウイルスのインパクト!コロナは購買行動にどのような影響を与えた!? - MNEXT 眼のつけどころ 新型コロナ禍で消費はどう変わるか-シンクロ消費と欲望の姿態変容
- MNEXT 眼のつけどころ 2021年「消費社会白書」の中間総括 「きちんとした」私と「ヒトとの結縁」を守る価値へ転換―id消費へ
- JMRからの提案 コロナ禍で強まる「外からウチへ」の消費者行動変容と消費の「イエナカ・シフト」(2020年)
おすすめ新着記事
消費者調査データ シャンプー(2024年11月版) 「ラックス」と「パンテーン」、激しい首位争い
調査結果を見ると、「ラックス(ユニリーバ)」と「パンテーン(P&G)」が複数の項目で僅差で首位を競り合う結果となった。コロナ禍以降のセルフケアに対する意識の高まりもあって、シャンプー市場では多様化、高付加価値化が進んでいる。ボタニカルやオーガニック、ハニーやアミノ酸などをキーワードに多様なブランドが競うシャンプー市場の今後が注目される。
消費者調査データ レトルトカレー(2024年11月版) 首位「咖喱屋カレー」、3ヶ月内購入はダブルスコア
調査結果を見ると、「咖喱屋カレー」が、再購入意向を除く5項目で首位を獲得した。店頭接触、購入経験で2位に10ポイント以上の差をつけ、3ヶ月内購入では2位の「ボンカレーゴールド」のほぼ2倍の購入率となった。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 伸長するパン市場 背景にある簡便化志向や節約志向
どんな人がパンを食べているのか調べてみた。主食として1年内に食べた頻度をみると、食事パンは週5回以上食べた人が2割で、特に女性50・60代は3割前後と高かった。パン類全体でみると、朝食で食事パンを食べた人は女性を中心に高く、特に女性50代は6割以上であった。