半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

(2015.12)
消費者調査 番外編 J-marketing.net的2015年のヒット商品
2015年、印象に残ったもの


 2015年はどんな1年だったのか。「トピックス」「人物」「歌」「商品」の四つの切り口から、J-marketing.net的に整理する。なお、回答はすべて「自由記述(各問1回答ずつ)」である。


印象に残った出来事

 1位は、有効回答ベース(以下同様)の43%を占めた「IS(イスラミック・ステート)によるパリ同時多発テロ事件」である。先進国の首都で起きた大規模テロ、しかも発生当日から調査時点まで1週間程度だったこともあり、異例ともいえる得票率となった。さらに、4位の「ISによる邦人人質、殺害事件(2015年1月)」を加味すると、半数近くが「ISによるテロ事件」こそが2015年もっとも印象に残った出来事と答えている。
 2位は、一転して明るい話題、「ラグビーワールドカップ」の14%である。9月19日、世界ランキング3位(当時)の南アフリカを、同ランキング13位(当時)の日本が破った試合は「奇跡」とまでいわれ、第3戦となるサモア戦は瞬間最高視聴率25.2%(ビデオリサーチ調べ 関東地区)を記録するなど、ブームを巻き起こした。
 3位は「安全保障関連法案」の7%である。国会内の答弁とともに、「アベ政治を許さない」「とりま廃案」などのプラカードを掲げ、国会を取り巻く人々の映像がTVを通じて連日流れたことは、まだ記憶に新しい。


印象に残った人物

 1位は、印象に残った出来事2位「ラグビーワールドカップ」の立役者「五郎丸歩」選手である。「五郎丸ポーズ」は、2015年の新語・流行語大賞のトップ10入りも果たすなど、大いに話題となった。
 第2位は、ミュージシャンの「福山雅治」である。「最後の独身大物」といわれた同氏は、9月末に女優の「吹石一恵」との電撃結婚を発表、女性ファンの間に「福山ショック」「ましゃロス」といわれる影響を及ぼし、おおいに話題となった。
 3位は、2014年のランキングでも6位に入った「安倍晋三」総理である。2012年から4年連続のランキング入りであるが、今年の3位は過去最高順位である。「安全保障関連法案」(印象に残った出来事3位)「TPP」(同10位)など、精力的な活動が目立った。


印象に残った歌

 1位は、お笑いコンビ「クマムシ」の「あったかいんだからぁ♪」の14%である。自身の「アイドルソング漫才」を歌にしたもので、2015年2月16日付のオリコンチャートで初週1.2万枚を売り上げて10位を記録、第57回日本レコード大賞の特別賞、第48回日本有線大賞」の「有線話題賞」などを受賞した。
 2位は、「365日の紙飛行機(AKB48)」である。2015年度下半期放送のNHK連続テレビ小説「あさが来た」主題歌で、高視聴率を獲得している同番組の顔として幅広い層に受け入れられている。
 3位は、映画「ヒロイン失格」の主題歌、「トリセツ(西野カナ)」である。恋人に対する、自分への取扱説明書の意で、若い女性を中心に支持を獲得した。


ヒット商品

 1位は、お笑いタレントの「又吉直樹」の処女作、「火花」である。掲載時より現役人気お笑いタレントの手がけた純文学小説として話題を呼び、単行本の累計発行部数は239万部を突破、掲載誌は80年の歴史で初の増刷となった。さらに芥川龍之介賞受賞、三島由紀夫賞候補と内容面でも高評価で、2016年に向けて映像化も決定するなど、ブームはまだまだ続きそうだ。
 2位は3月14日に開業した「北陸新幹線」である。東京-金沢間を最短2時間28分で結び、開業から半年間の乗車人数が前年同期比で約3倍に伸びるなど、新幹線効果を存分に発揮した。
 3位は、「iPhone6/6S」である。「iPhoneブランド」としてみると、2008年の国内発売以来、8年連続でベスト3入りという快挙(機種は、その時点の最新機種)で、その人気は衰えを知らない。

 ヒット商品の項目では、例年は上位商品は2桁の得票率にも関わらず、今年は首位の「火花」でも8%と、2桁に届かなかった。有効回答数自体は例年よりもやや多く、小粒のヒットは数多く生まれたものの、2015年を代表するヒット商品、として記憶に残るものは生まれなかった、ということだろうか。


 2015年は、テロや自然災害など不安を抱かせる回答も目立つ一方で、「北陸新幹線開業」「五郎丸歩の活躍」「ノーベル賞W受賞」「爆買い」など、日本の底力を感じさせる回答がランクインした。2016年には、「リオデジャネイロオリンピック(8月5日から)」「北海道新幹線開業(3月26日)」などが予定されており、今年に引き続いて日本のパワーが注目される可能性がある。爆発的なヒット商品のなかった2015年だが、2016年にはどのようなトレンド、ヒット商品が生まれるのか、注目される。


 本コンテンツのグラフは無料会員サービスでのご提供となっております。
 以降の閲覧には会員サービスへのご登録が必要です。

会員サービスのご案内についてはこちらをご覧ください。
会員の方は、下記をクリックしてグラフをご利用ください。











【調査設計】
調査手法:インターネットリサーチ
調査期間:調査期間:2015年11月20日~25日
調査対象者:当社インターネットモニター 15歳~85歳
        全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,259サンプル
サンプル構成(%)




お知らせ

2024.03.25

当社合田執筆の「猛スピードのクルマはいらない」 これからの高齢化社会に必要な“まちづくり”とは何か? そのヒントは欧米になかった!」がメルクマールに掲載されました。

新着記事

2024.07.26

消費者調査データ 炭酸飲料(2024年7月版)  首位「コカ・コーラ」、迫る「三ツ矢サイダー」、高い再購入意向の無糖炭酸水

2024.07.25

24年5月の「広告売上高」は、6ヶ月ぶりのプラス

2024.07.24

24年5月の「旅行業者取扱高」は19年比で72%に

2024.07.23

24年5月の「商業動態統計調査」は2ヶ月連続のプラス

2024.07.22

企業活動分析 キユーピー株式会社 23年11月期は海外など好調で増収も原材料高騰で2桁減益に

2024.07.22

企業活動分析 カゴメ株式会社 23年12月期は引き続き海外事業がけん引し増収増益に

2024.07.19

企業活動分析 ライオン株式会社(2023年12月期) 増収も土地譲渡益の反動等で減益に

2024.07.19

企業活動分析 ユニリーバ(Unilever)(2023年12月期) 減収減益、事業部門の業績格差受け、新成長戦略を修正へ

2024.07.19

24年6月の「景気の先行き判断」は3ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.07.18

24年6月の「景気の現状判断」は4ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.07.17

MNEXT 円安は歓迎すべきかー過熱する円安論争

2024.07.16

企業活動分析 山崎製パン株式会社 23年12月期は大幅な増収増益で過去最高益に

2024.07.12

消費者調査データ スポーツドリンク・熱中症対策飲料(2024年7月版) 首位「ポカリスエット」、追い上げる「アクエリアス」

2024.07.11

24年5月の「消費支出」はふたたびマイナスに

2024.07.10

24年5月の「家計収入」は20ヶ月ぶりのプラス

2024.07.09

24年4月の「現金給与総額」は28ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2024.07.08

企業活動分析 大塚HD 23年12月期は売上は過去最高を記録、医療事業の減損損失で減益に

2024.07.08

企業活動分析 小林製薬の23年12月期は、R&Dや宣伝広告への積極投資を行い増収減益に

2024.07.05

成長市場を探せ 初の6,000億円超え、猛暑に伸びるアイスクリーム(2024年)

週間アクセスランキング

1位 2017.09.19

MNEXT 眼のつけどころ なぜ日本の若者はインスタに走り、世界の若者はタトゥーを入れるのか?

2位 2024.07.03

MNEXT コロナ禍の前中後の内食もどりはあったのか? -食欲望の現在-

3位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

4位 2019.09.10

戦略ケース プラットフォームビジネスで急拡大するウーバーイーツ

5位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area