
2019年のレトルトカレー市場は前年比1.9%増(箱数ベース 日本缶詰びん詰レトルト食品協会)で、順調に拡大した。
今回は、当社が任意に選んだレトルトカレー37ブランドについて、「知っている(認知)」、「3ヶ月以内に広告などを見た(広告接触)」「3ヶ月以内に店頭などで見た(店頭接触)」「買って食べたことがある(購入経験)」、「最近3ヶ月以内に買って食べた(3ヶ月以内購入)」、さらに「今後(も)使いたい(今後意向)」と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」という7項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回の調査でも、前回(2019年10月版)と同様、「咖喱(カリー)屋カレー(ハウス食品)」が複数の項目で首位を獲得した。「咖喱屋カレー」を追うのは、大塚食品の「ボンカレーゴールド」、明治の「銀座カリー」、ハウス食品の「ククレカレー」などである。「咖喱屋カレー」は、3ヶ月内購入で2位の「ボンカレーゴールド」に5.2ポイントの差をつけたものの、そのほかの項目では接戦となっている。
ユーザーのロイヤリティの指標である再購入意向をみると、首位と3位には、コストパフォーマンスに優れたブランドが入った。首位は西友のPBである「みなさまのお墨付き」のレトルトカレーが78.6%で、前回の9位、61.5%からの大幅アップとなった。3位の「プロクオリティ ビーフカレー(ハウス食品)」は、順位はひとつ下げたものの、再購入意向率は上がっている。一方、2位と4位は比較的高価格で本格志向を売りにしたブランドだ。今年上半期、レトルトカレーは、新型コロナウイルスによる巣ごもり需要で、一時は店頭から姿を消すほどの特需となった。ヘビーユーザーにとっては価格、また、在宅時間の充実を望むユーザーにとっては本格感、とポジションのはっきりした商品に固定ファンがついていると考えられる。レトルトカレーは、在宅時間の増大に伴う家庭内での食需要の増加で、今後も手堅い需要が予想される。伸びる市場での主導権争いが注目される。
- 注目ランキング
-
- 3ヶ月以内購入
- 咖喱(カリー)屋カレー(ハウス食品) 10.9%
- ボンカレーゴールド(大塚食品) 5.7%
- 銀座カリー(明治屋) 5.6%
- 再購入意向
- みなさまのお墨付きのレトルトカレー(西友) 78.6%
- 噂の名店(S&B食品) 76.9%
- プロクオリティ ビーフカレー(ハウス食品) 75.0%
- 3ヶ月以内購入
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ
調査概要
提示37ブランド
- 咖喱(カリー)屋カレー(ハウス食品)
- プロクオリティ ビーフカレー(ハウス食品)
- カレーマルシェ(ハウス食品)
- ククレカレー(ハウス食品)
- レトルト ザ・ホテル・カレー(ハウス食品)
- レトルト こくまろカレー(ハウス食品)
- レトルト ジャワカレー(ハウス食品)
- ビーフマイスターカレー(ハウス食品)
- 選ばれし人気店(ハウス食品)
- 温めずにおいしいカレー(ハウス食品)
- ゴールデンカレー レトルト(S&B食品)
- カレー曜日(S&B食品)
- ディナーカレー レトルト(S&B食品)
- ホテルシェフ仕様 特製ビーフカレー(S&B食品)
- チーズカレー(S&B食品)
- 噂の名店(S&B食品)
- 神田カレーグランプリ(S&B食品)
- S&B なっとくのおいしいカレー(S&B食品)
- ボンカレーゴールド(大塚食品)
- ボンカレーネオ(大塚食品)
- 100kcal マイサイズカレー(大塚食品)
- 銀座カリー(明治)
- 男の極旨/絶品カレー(明治)
- インドカリー(新宿中村屋)
- LEE(江崎グリコ)
- カレー職人(江崎グリコ)
- ビストロ倶楽部 ビーフカレー(丸大食品)
- レストラン仕様カレー(日本ハム)
- ヤマモリ タイカレーグリーン(ヤマモリ)
- 100時間かけたカレー(MCC)
- 無印良品のレトルトカレー(良品計画)
- みなさまのお墨付きのレトルトカレー(西友)
- 金のビーフカレー(セブン&アイ)
- セブンプレミアムのレトルトカレー(セブン&アイ)
- トップバリュのレトルトカレー(イオン)
- ローソンセレクトビーフカレー
- ファミリーマートコレクションのレトルトカレー
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2020年09月11日(金)~09月14日(月)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,014サンプル
サンプル構成(%)



参照コンテンツ
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