
拡大する食市場のなかでも、著しい伸びをみせているのが中食市場*だ。2018年の市場規模は10兆2,518億円で対前年比2.5%増、市場は10年連続で成長し、10年前と比較すると約27%も拡大した(一般社団法人日本惣菜協会)。

拡大の背景には、女性の社会進出や、少子化・高齢化・少人数世帯の増加などによる食の簡便化、個食化がある。内食頻度が減り、食の外部化が進むが、節約志向から外食よりも中食が選ばれているのだ。最近は、セブン-イレブンなどのコンビニエンスストアや、ガストやデニーズなどの宅配による中食進出の強化、弁当の定額制サービスなど中食をめぐる話題に事欠かない。さらに、今年10月の消費税増税施行後も中食は軽減税率の対象となったことから、外食から中食へのシフトがより進むとみられている。中食市場を成長させた女性の社会進出や、少子化・高齢化・少人数世帯の増加などは今後も進行するとみられ、それに伴って中食市場も拡大が続くと予想される。
*中食:市販の弁当や惣菜など、家庭外で調理・加工された食品を家庭や職場・学校・屋外などに持ち帰ってすぐに(調理加熱することなく)食べられる、日持ちのしない調理済食品
参照コンテンツ
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