
無糖茶の市場は拡大を続けているが、なかでも伸びが著しいのが麦茶飲料だ。2018年は343万kLで14.4%増と9年連続の増加となった(農林水産省「食品産業動態統計調査」)。

拡大の理由としては、カフェインゼロで、子供から高齢者まで幅広く好まれて、夏の季節商品だったものが通年商材化したことが大きい。ミネラルが含まれることから熱中症対策飲料としての周知も進んだ。体温を下げることや、血流を改善する効果も知られており、「体に良い」飲料として健康志向を背景に受け入れられている。伸びの著しい麦茶飲料では、ここ数年、飲料メーカーによる新商品投入が続き、サントリーは業界初の缶入り濃縮タイプを発売し話題を呼んだ。暑さも本番となる季節、麦茶の最需要期の到来で、今年も市場の拡大が期待される。
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