トヨタ自動車の2020年3月期の連結決算は、売上高29兆9,300億円(前年比1.0%減)、営業利益2兆4,429億円(同1.0%減)、当期純利益2兆762億円(同10.3%増)であった。販売台数については、日本では新製品の積極的な投入や全国販売店の努力により前年比0.6%増、グループ総販売シェア(軽自動車含む)は45.5%、軽自動車を除くトヨタ・レクサスブランドの販売シェアが48.8%と、ともに過去最高となった。海外においては、アジアおよび北米で販売台数が減少したことにより0.5%減となり、日本、海外を合わせた全体では895万8千台と、0.2%の減少となった。所在地別の営業利益については、日本とアジア、その他地域で減益、北米と欧州で増益となった。電動化、自動運転、コネクティッド、シェアリングなどの技術革新の急速な進行などにより、自動車産業が100年に一度の大変革の時代を迎える中、トヨタは人々の移動に関わるあらゆるサービスを提供する 「モビリティカンパニー」へのフルモデルチェンジを進めている。2021年3月期については、新型コロナウイルス感染症拡大により販売台数が落ち込んだものの、11月に発表された第二四半期決算では販売台数の回復などを背景に、通期の業績見通しを営業収益26兆円(前回予測比+2兆円)、営業利益1兆3,000億円(同+8,000億円)と上方修正、商品力や供給力など底力をみせた。
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