ニチレイの2019年3月期の連結決算は、売上高5,801億円(前年比2.1%増)、営業利益は295億円(同1.3%減)と増収減益であった。加工食品事業では、主力商品を中心に経営資源を投下し商品開発や販売活動に注力するとともに、継続的な生産性改善とコストダウンに努めた。低温物流事業では、大都市圏を中心に旺盛な保管需要を着実に取り組むとともに、運送効率向上や庫内作業デジタル化などの業務改革に取り組んだ。主力事業が堅調に推移したことにより売上高が増加したが、水産事業等の苦戦による一時的なコスト負担が生じたことから減益となった。本年度は中期経営計画「POWER UP 2018」の最終年度にあたる。当初の連結目標数値を上回る成果をあげることができた一方、海外事業の規模拡大に課題を残した。新中期経営計画「We Will 2021」の初年度となる2019年度は、加工食品事業が主力商品の拡販や収益性改善などにより増収・増益、低温物流事業はコスト増加を吸収し増益を確保する見込みで、将来の成長及び基盤強化を行っていく。
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