自社の商品・サービスをブランド化する際に、どのようなブランド名を用いるかはブランド戦略上、大変重要です。P.コトラーによれば、ブランド名の決め方として、大きくは「単独ブランドか、ファミリー化か」、具体的には「個別の名称、統一ファミリーネーム、複数ファミリーネーム、企業&個別ネーム」の四つとなります。
現実には、統一ファミリーネームとはコーポレートブランド(企業が提供する商品・サービスに統一して用いる)、分割ファミリーネームとしては事業ブランド(事業単位で統一して用いる)とファミリーブランド(複数のカテゴリーに属する商品・サービスに共通して用いる、同一カテゴリーで異なる品質水準に応じて用いる)、個別ブランド(個々の商品・サービスごとに用いる)として展開されています。
事業ブランドの例としては、松下電器産業(現:パナソニック)のパナソニック(Panasonic)、ナショナル(National)が挙げられます。パナソニックは日本国内における映像・音響ならびに情報・通信機器ブランド、かつグローバルブランドとして用いられており、家電でおなじみのナショナルは日本国内に限定されたブランドです。
ヘアケア製品、ボディケア製品、洗顔料などカテゴリー横断型の統一ブランドである「植物物語」や、顧客層やグレード別にブランドを設定している「リバイタル」「エリクシール」などの化粧品のブランドは、ファミリーブランドの一例です。
また、「アサヒスーパードライ」や「キリンラガービール」はコーポレートブランドと個別ブランドを組み合わせて、メーカーを顕示すると同時に製品を特徴づけています。
ブランド・ネームとは製品コンセプトを強化し完成するものです。望ましい要件としてコトラーは次の五つの要件をあげています。
- 何か製品のベネフィットを示唆するものであること。
- 製品の品質を示唆するものであること。
- 発音しやすく、分かりやすく、覚えやすいこと。
- 特徴的なこと。
- 外国や外国語で悪い意味を持たないこと。
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参照コンテンツ
- MNEXT 眼のつけどころ ブランド・ものづくりビジネスモデルの革新のすすめ方
―戦略思考とはどういうものか(組織論篇) - MNEXT 眼のつけどころ ブランドのロングセラー化の鍵は「うまいマンネリ」づくり
―市場溶解期のブランド再構築 - JMRからの提案 マーケティングTips ブランディング 名前のちから(2020年)
- マーケティングFAQ どうすればブランド力を強化できるか
- マーケティングFAQ ブランド認知と企業イメージ
- マーケティング用語集 ブランド
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