他方で、日常生活財では再び好調さを取り戻し、好不調の格差が分かれる耐久財でも白物家電と住宅を中心に好調が続いている。
雇用環境は改善し、収入環境は良好さを保っている。マインドも改善が続いている。
消費者物価の上昇は緩やかなものとなり、輸入物価と国内企業物価は上昇の勢いが鈍化している。
マーケットでは株安に歯止めがかかったが、円安と金利上昇は続き、イールドカーブの左上方へのシフトも進んでいる。
雇用・収入・マインドのすべてで、消費を取り巻く環境は引き続き良好さを保っている。消費改善の裾野を更に広げるためにも、消費喚起への政策対応にはスピードと精度の高さの両方が今こそ求められる。
2026年7月のJMR消費INDEXの値は73.3となり、前月よりも上昇している(図表1)。
INDEXを構成する個々の変数の動きをみると、2026年7月時点で、支出関連では3指標中、消費支出と平均消費性向の2指標で悪化が続いている(図表2)。
販売関連では、(チェーンストア売上高を除いた)全10指標中、改善が9指標、悪化が1指標となり、改善の側が大きく優勢となっている(図表2)。
消費支出の伸びは2026年6月以降、名目と実質の双方でマイナスが続いている(図表4)。
10大費目別にみると、2026年7月時点で、名目では改善が4費目、悪化6費目となり悪化の側がわずかに優勢である。実質では悪化が2費目、改善が8費目となり悪化の側が大きく優勢である。食料については、名目ではプラスだが実質ではマイナスとなっている(図表5)。
物価の動きに着目すると、2026年8月は、消費者物価の伸びは横ばいとなり、輸入物価と国内企業物価の伸びはともに低下している。特に、輸入物価の伸びの低下が際立っている(図表6)。
財・サービス別に消費者物価の伸びの推移をみると、総合、財、サービスの伸びはいずれも僅かながら低下している(図表7)。
販売現場では、小売業の売上は2026年7月も、全体でプラスが続いている。主なチャネル別でも、六つのチャネルすべてでプラスを保っている(図表11、図表12)。
外食売上は、2026年8月時点で、全体では息長くプラスを保っている。主要3業態別では、ファーストフードとファミリーレストランはプラスが続いており、一時マイナスとなっていたパブ・居酒屋も再びプラスに戻っている(図表20)。
耐久財では、新車販売は、乗用車(普通+小型)の伸びはプラスが続いているが、軽乗用車の伸びは再びマイナスとなっている(図表13)
家電製品出荷について、2026年8月時点では、黒物家電は総じてマイナスとなっている。白物家電は4品目中、電気掃除機を除いた3品目でプラスが続いている。情報家電ではノートPCとスマートフォンはともにマイナスが続いている(図表14、図表15、図表16)。
新設住宅着工戸数は2026年7月時点で、全体ではプラスが続いている。利用関係別でも2026年5月以降、持家、分譲住宅・マンション、分譲住宅・一戸建てのすべてでプラスを保っている(図表17)。
地域別の持家の伸びは2026年7月時点で、中部圏とその他の地域ではマイナスへと落ち込んだが、首都圏と近畿圏ではプラスが続いている(図表18)。
地域別の分譲住宅・マンションの伸びは2026年7月時点で、中部圏ではマイナスだが、首都圏では再びプラスに転じ、近畿圏とその他の地域ではプラスが続いている(図表19)。
消費を取り巻く環境条件をみると、雇用環境について、2026年7月時点では、有効求人倍率は横ばいとなり、失業率は低下している(図表8)。
収入については、現金給与総額、所定内給与額、超過給与額ともに息長くプラスが続いている(図表9)。
消費マインドについても2026年5月以降、消費者態度指数と景気ウォッチャー現状判断DIはともに上昇が続いている(図表10)。
マーケットの動きとして、まず円ドル為替レートと日経平均株価の推移をみると、為替は7月30日の日銀による円買い介入以降、通貨当局からの口先介入や実弾介入などの動きの度に一時的に大きく円高に振れはするものの、時間の経過とともに再び円安の方向へと戻っていく動きを繰り返している。特に9月以降は、9月11日に終値で1ドル153円54銭を付けたのを境に円安傾向へと転じたが、9月24日に終値で1ドル158円83銭を付けたのを底に、再び円高方向へと戻している(図表21)。その後は、158円を挟んでの値動きが続いている。
株価は、8月17日に終値で69,220円25銭を付けたのを境に、その後は低下傾向で推移してきたが、9月15日に終値で63,484円10銭を付けたのを底に、再び上昇傾向に転じている(図表21)。その後は若干の乱高下を伴いつつも、株価は上昇傾向を保っている。
日米の長期金利の推移をみると、米国債10年物金利は6月26日に終値で4.372%を付けて以降上昇傾向で推移し、特に8月19日以降は上昇のペースが加速している(図表22)。その後も引き続き、上昇の動きが一段と進んでいる。日本国債10年物金利は7月15日に終値で2.697%を付けて以降、上昇傾向で推移し続けている。9月2日には一旦3%台に乗せ、その後は概ね3%をわずかに割り込む状況が辻続いたが、9月24日以降は3%台での推移が続いている(図表22)。
日米金利差は8月に入ってからは1.7%台後半から1.8%台後半の間で推移してきた。9月8には1.9%台に乗せ、その後は概ね1.9%台での推移が続いたが、9月18日以降は2%台に乗せるとともに、金利差もすこしずつ広がる傾向にある(図表22)。
日本国債のイールドカーブの変遷をみると、2026年6月2日以降、上下動を繰り返しつつ、左上方へと徐々にシフトしていき、2026年9月24日には一時、2026年に入り最も高い位置にまで到達した(図表23)。その後も若干の上下動を伴いつつ、左上方へのシフトの動きはより一層進んでいる。
総合すると、消費は持ち直しの動きがみられる。
支出全般の伸びはマイナスが続き、費目別では悪化の側が優勢となっている。
他方で、日常生活財では再び好調さを取り戻している。耐久財では商品間で好不調の格差が分かれるものの、白物家電と住宅では好調が続いている。
雇用環境では改善の動きがみられ、収入環境は良好さを保ち続けている。マインドも改善が続いている。消費者物価の上昇は緩やかなものに止まり、輸入物価と国内企業物価では上昇の勢いが鈍化してきている。
マーケットでは、株安の動きに歯止めがかかったが、円安と金利上昇の動きが足許で進んでいる。日本国債のイールドカーブの左上方へのシフトの動きも再び強まっている。
雇用・収入・マインドのすべてで、消費を取り巻く環境は引き続き良好さを保っている。物価上昇の動きは足許で沈静化しつつあるが、日米金利差拡大の下で再び強まる円安は今後の物価への波乱要因として残る。現状では一部に止まっている消費改善の裾野を今後更に広げていくためにも、消費喚起への政策対応にはスピードと精度の高さの両方が今こそ求められている。








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