ポーラ・オルビスホールディングスの2022年12月期の連結決算は、売上高1,663億円(前年同期比6.9%減)、営業利益126億円(同25.5%減)と減収減益となった。国内化粧品市場は緩やかに回復し、海外市場は中国でゼロコロナ政策が緩和されたものの、コロナ感染の急拡大による経済活動への影響が発生した。このような状況の中、主力ブランドの「ポーラ(POLA)」「オルビス(OLBIS)」の売上減が影響し減収減益となった。セグメント別では、ビューティケア事業で1,617億円(前年同期比7.2%減)、不動産事業で21億円(前年同期比1.4%減)、その他の事業で26億円(前年同期比8.0%増)となった。ビューティケア事業における減少の主な要因は、POLAブランド、ORBISブランドの顧客数減による減収や、POLAブランドの韓国免税向け出荷抑制によるものである。同グループは2029年に創業100周年を迎えるにあたり、同年までの長期経営計画として「VISION2029」を2022年からスタート、「多様化する『美』の価値観に応える個性的な事業の集合体」の実現を目指して、成長に向けた既存事業の変革や、新規事業開発に取り組んでいる。21年からの中期経営計画は、育成ブランドの利益貢献以外は堅調に推移。ポーラ、オルビスはコロナ禍で苦戦も、将来を見据えたダイレクトセリングの進化は進捗、海外ブランドは損失改善が進んでいる。最終年度となる23年は、新経営体制のもと、22年下期から見られた業績改善傾向を確かなものとし、2024年への弾みをつける1年とすべく、国内事業の成長トレンドを加速し、海外事業拡大に向けた体制の再構築を進めていく。
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