東京都区部の人口は87年バブル期の地価高騰で減少していましたが、99年以降再び増加に転じています。
特に都心部での増加率が顕著に高まっています。
2000年からの2年間の増加率が大きい順にあげると、中央区108.9%、港区104.7%、江東区103.4%、渋谷区102.2%、文京区102.0%となっています。
先に公表された全国推計(中位推計)によれば、わが国の総人口は2006年にはピークを迎え、以後長期の減少過程にはいるとされています。しかし、東京都では、2010年から2015年まで増加が続き、減少するのは2015年以降と予測されています。
この直接的要因は、都心部での地価下落によるメガマンションと呼ばれるような大規模住宅供給が増えたことです。2001年からの6年間に20階建て以上の超高層マンションが222棟7万1,000戸が計画されています。これは76年から2000年の25年間に建てられた超高層マンション146棟3万5,000戸の2倍の戸数にあたります。
都心の魅力として、病院や、教育機関が充実していることや、CVSなど深夜営業の店舗の多さなど、サービスの質の高さや利便性の高さと安全性の高さがあげられます。さらに、郊外ではロードサイドの大規模店舗によって商店街が駆逐され、多様な路面の業種小売店によって形成される商店街が廃れているのに対して、都心では大規模なGMS等の出店が限定的であったため、特徴のある業種店が生き残り、活気のある商店街が生まれています。
こうしたことから、東京都心において「職・住・商」近接の都心ライフスタイルの魅力が高まり、人が人を呼ぶ、人口の再集中傾向が起こっているとみることができます。
参照コンテンツ
- JMRからの提案 都市型ライフスタイルの潮流-市場転換(2002年)
- JMRからの提案 人口減少社会下で甦る都心商店街(2005年)
- マーケティング用語集 都市再生特別措置法
- マーケティング用語集 昼夜間人口比率
- マーケティング用語集 メガマンション
- マーケティング用語集 まちづくり三法
- マーケティング用語集 DID(人口集中地区)
おすすめ新着記事
成長市場を探せ V字回復で2年連続過去最高更新の炭酸飲料(2024年)
炭酸飲料が伸びている。2020年はコロナ禍で前年割れとなったが、翌21年にはコロナ前の水準に迫り、22年、23年と2年連続で過去最高を更新した。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 「紅麹サプリ問題」認知率は86%! 消費者の健康食品選びに変化
コロナが明けて需要が戻った健康食品市場だったが、2024年3月に「紅麹サプリ問題」が起こった。そこで、健康食品の利用と、「紅麹サプリ問題」を受けて消費者の行動がどう変化したかを調査した。
消費者調査データ 茶飲料(2024年9月版) 抜群の強さ「お~いお茶」、大手3ブランドが熾烈な2位争い
2年連続のプラスとなった茶飲料市場の調査結果をみると、トップブランドの「お~いお茶」が全項目で首位、大手飲料メーカーの緑茶ブランド3点が熾烈な2位争いを繰り広げている。一方、再購入意向のランキングでは、麦茶ブランドが上位に入った。