2001年5月8日、「環境、防災、国際化等の観点から都市の再生を目指す21世紀型都市再生プロジェクトの推進や土地の有効利用等都市の再生に関する施策を総合的かつ強力に推進する」ことを目的として、都市再生本部が内閣に設置されました。その後の都市再生本部での1~3次プロジェクト検討を経て、2002年2月8日に閣議決定、3月29日の参院本会議で可決・成立、6月1日から施行されています。
同法は、近年の我が国経済社会の構造的な変化、国際化の進展等に対応し、都市の再生を図るために制定されたものです。都市再生の推進に関する基本方針等を策定するとともに、都市再生の拠点として緊急に整備すべき地域における民間都市再生事業計画の認定制度の創設、都市再生緊急整備地域 等の都市計画等の特別措置の創設や、都市再生緊急整備協議会の設置等についての措置が講じられています。
都市再生緊急整備地域とは、民間主導で都市再生を促すため、政府が地域を指定し、容積率などの建築規制を適用しない事実上の特区を設定する制度で、具体的には、(1)重厚長大産業用地など大規模な土地利用転換が見込まれる地域、(2)駅前の交通結節点など生活・交流地域、(3)防災上危険な密集市街地で総合的再開発が見込まれる地域などが想定されています。
これを受け、政府の都市再生本部は7月に、第一次の都市再生緊急整備地域として東京、大阪、名古屋都市圏の17地域を指定しました。これらの地域では、大幅な規制緩和を進めて5年間で5兆円の民間投資を呼び込む狙いです。17のうち7地域は東京で、具体的には、東京駅・有楽町駅周辺、秋葉原・神田地域、臨海地域、六本木周辺地域、新宿駅周辺地域、大崎駅周辺地域等です。都市再生にかかわる政府予算の7、8割が東京に集中するとも言われており、東京への投資は今後とも加速すると思われます。
参照コンテンツ
- 戦略ケース 森ビル株式会社 東京再生はなるか-六本木ヒルズ・森ビルの挑戦(2001年)
- 戦略ケース 東京ミッドタウン 都会の先端層に目線を合わせ、六本木で新たな街づくりに挑戦(2007年)
- マーケティング用語集 人口の東京再集中
- マーケティング用語集 昼夜間人口比率
- マーケティング用語集 メガマンション
- マーケティング用語集 まちづくり三法
- マーケティング用語集 DID(人口集中地区)
おすすめ新着記事
消費者調査データ 紅茶飲料(2024年10月版) 首位「午後の紅茶」、「紅茶花伝」に水をあける
2023年、数量金額ともにプラスとなった紅茶飲料。調査結果を見ると、キリンの「午後の紅茶」が再購入意向以外の5項目で首位を獲得した。認知率は9割、購入経験も5割を超え、再購入意向では2位以下に10ポイント余の差をつけ、リーディングブランドらしい強さをみせた。
消費者調査データ ミネラルウォーター(2024年9月版) 全項目首位「サントリー 天然水」、リピート意向の高いPB
2023年、2年連続で2桁増を達成したミネラルウォーターについての調査結果をみると、全項目で5ポイント以上の差をつけて「サントリー天然水」が首位に。2位は「い・ろ・は・す天然水」。再購入意向ではベスト10内に5ブランドのPBという結果となった。
成長市場を探せ V字回復で2年連続過去最高更新の炭酸飲料(2024年)
炭酸飲料が伸びている。2020年はコロナ禍で前年割れとなったが、翌21年にはコロナ前の水準に迫り、22年、23年と2年連続で過去最高を更新した。