DID(Densely Inhabited Districtの略)とは人口集中地区のことで、日本の国勢調査において設定される統計上の地区を意味します。市区町村の区域内で、人口密度が1平方キロメートルあたり4,000人以上の基本単位区が互いに隣接して人口が5,000人以上となる地区がこれに該当します。
町村合併及び新市の創設による市町区域の拡大などにより、市部・郡部といった地域分類が必ずしも都市的地域と農村的地域の特質を明瞭に示さなくなった事情を考慮して、昭和35年国勢調査で初めて設定されました。
DIDは都市的地域と農村的地域の区分けや、狭義の都市としての市街地の規模を示す指標として使用されます。ただし、空港、港湾、工業地帯、公園など都市的傾向の強い基本単位区は人口密度が基準を下回る場合でも、当地区に含まれます。
DIDに基づいた集計は、人口等の都市集中の実態を把握する場合や、市街地の形成の度合を示す基準として利用する場合などに行われており、都市計画、地域開発計画、交通計画、防犯・防災対策などで幅広く利用されています。
全国の主な人口の都市集中について、2000年から2005年のDID人口密度(人/ km2)の変化をみると、全国では6,647.0から6,714.0(差67.0)となっています。地域別には、東京都区部では13,093.0から13,663.2(差570.2)、大阪市では11,766.2から 11,857.4(差91.2)、名古屋市では7,734.5から7,889.9(差155.4)となっています。関東周辺では、さいたま市で9,022.0から9,344.5(差322.5)、千葉市で6,769.8から7,022.9(差253.1)、横浜市で9,677.6から10,036.3(差358.7)となっており、関東とその周辺への人口集中が進んでいることがわかります。一方、東北や北陸の日本海沿岸県で人口密度の減少幅が大きくなっています。
DIDは定義上、新たな地域が加わったり、それまでに含まれていた地域が消えたりすることで、その範囲が変化します。そのため、人口密度の変化を単純に捉えることはできませんが、これに達してない地域は、都市の機能や魅力が満たされていないと見ることができ、周辺への人口移動が発生し、都市の空洞化につながる恐れもあります。
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