
ディープラーニングとは、大量のデータから法則(ルール)を見つけたり、またはそれに基づいた予測を行うものである。人間の学習のように、ある種のタスクに対して改善する能力(ルールやプログラム)を自動的に獲得するといった、より広い定義もある。
ディープラーニングは、人工知能における推論(「演繹推論」、「帰納推論」、「アブダクション」)のなかの帰納推論の一種にあたる。例えば、人工知能では画像を入力してそれが人間なのかその他の動物なのかといった判定するような技術(パターン認識)などに利用されている。マーケティングや、それをシステム化したマーケティング自動化(マーケティングオートメーション)の領域では、ある顧客の購買確率の予測や、見込み客の選別などに利用できる。オンラインショップでのプロモーションで頻繁に利用されるレコメンデーションシステムもこうした技術の一種である。なお、これは帰納推論の一種にあたるため、得られた推論が必ずしも正しいとは限らない。しかし複数のデータに基づいた推論であるため、アブダクションよりは妥当性が高いことが多い。また、目的が多少は異なるものの、統計学における回帰などの分析手法にも近い。
その用途は、大きく五つに分類できる。
ひとつは「クラスタリング(Clustering)」である。値の類似性を基に、与えられたデータを複数のグループに分けるもの。検索エンジンや、ユーザーの嗜好をグループ化する場合などに使う。
ふたつ目の「クラス分類(Classification)」は、与えられたデータに対して、適切なクラスを割り当てる用途だ。迷惑メールの分類や画像の識別などが代表例である。
三つ目は「レコメンデーション(Recommendation)」。これは最もなじみ深い機械学習だろう。ユーザーの過去の行動履歴から、反応しそうな情報を推測するものである。
四つ目は「回帰(Regression)」だ。売上高や株価、機器の異常の予測などに使う。過去の値から未知の数値を予測する用途である。
最後は「情報圧縮(Dimensionality Reduction)」。データの特徴を維持しながら、データ量を減らす用途だ。相関関係がある値がある場合に、片方のデータだけを残すときなどに使う。
参照コンテンツ
- マーケティングに生かすデータサイエンス入門
- 戦略ケース 導入進むロボアドバイザー ―フィンテックは貯蓄を投資に誘導できるか(2017年)
- マーケティング用語集 人工知能(AI)
- マーケティング用語集 マーケティングオートメーション
- マーケティング用語集 フィンテック
- マーケティング用語集 シンギュラリティー
- マーケティング用語集 ビッグデータ
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