林和夫
2023年3月のWBC(ワールドベースボール・クラシック)が大きな話題となっている。特に今回は大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)を筆頭に、メジャーリーグ所属の日本人選手ほぼ全員が参加を表明したこと、さらに米国も大谷の同僚マイク・トラウト選手をキャプテンに据えるなど「遂に本気を出した」点も大いに注目度を高めた。高額な入場券は完売し、NHK始め主力TV局がトップニュースで選手の一挙手一投足を追いかける。サッカーのカタールWorld Cupを超える興奮が期待されているのであろう。
2006年の第一回大会では、ICHIRO選手の活躍に引っ張られ、日本が待望の世界一に輝く。サッカー日本代表の台頭などにより、人気にやや陰りの見られたプロ野球が、再び輝きを取り戻す貴重な契機となった事は記憶に新しい。
さて、この頃からふと疑問を抱いたものである。「なぜ、野球という同じスポーツを競技しているのに、MLBに移籍した日本の選手がNPBの数倍にも及ぶ20億円を超える年俸を獲得できるのだろうか?」
参考文献
「消費社会白書2024」のご案内
中流層の暮らしぶりは終わった。まん中がなくなって、焼け野原のような空洞感が支配している。「こころの戦後」だ。 「欲望自由主義」のもとで「個人欲望」の解放を可能にした消費社会は終わり、生きがいを求めてさまよう価値社会が始まった。
著者プロフィール
林和夫
1980年早稲田大学理工学部卒業後、電通に入社。25年間、FIFAワールドカップ、UEFAチャンピオンズリーグ、世界陸上、世界水泳など国際スポーツのスポンサーシップ、TV放映権、大会運営業務に携わる。97年からスイスのISL(電通とアディダスのスポーツビジネス会社)、2010年からは電通スポーツ(ロンドン)での勤務など国際経験を蓄積。2018年より広島経済大学にてスポーツビジネスを担当し、今日に至る。
参照コンテンツ
- プロの視点 プロスポーツのマネジメント~なぜMLBとNPBで7倍の年俸格差があるのか?~ 第二話「MLBの成長を支えた経営戦略とは」(2023年)
- プロの視点 プロスポーツのマネジメント~広島東洋カープの挑戦~広島市と共に逆境を乗り越える独自の経営戦略(2022年)
- プロの視点 今治.夢スポーツ 「スポーツが日本の未来にできること」を求めて、岡田武史氏の挑戦(2021年)
- MNEXT 眼のつけどころ 戦略思考をどう身につけるか-スポーツ観戦で学ぶ(2019年)
- MNEXT 2014年ブラジルW杯観戦で学ぶ 実践戦略思考(2014年)
- MNEXT W杯のコートジボワール戦敗北の戦略的読み方(2014年)
- MNEXT W杯日本代表のリーグ戦敗退の戦略的読み方(2014年)
- MNEXT 北京五輪にみる日本の戦略の弱さ(2008年)
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