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公開日:2022年10月11日

プロスポーツのマネジメント~広島東洋カープの挑戦~
広島市と共に逆境を乗り越える独自の経営戦略
JMR生活総合研究所 顧問/広島経済大学 スポーツ経営学科 教授
林和夫


 東京方面から新幹線で広島駅に到着する直前、左側の窓からマツダスタジアムでの試合風景が10秒間ほど覗けることをご存知だろうか。特に筆者が東京から広島に通い始めた2018年は、広島東洋カープ(以降カープ)が3連覇を達成した年であり、窓から覗くスケルトンの球場は、いつも真っ赤なユニフォームに埋め尽くされていた。通るたびに「何とかしてこの球場に入りたい」との思いが沸き上がる。設計者の上林功氏によると、この「ちらみ」は「遊環構造」という建築原則に沿って、意図的に設計されたそうである。実際に2009年の開設年は、以前の広島市民球場と比較して約1.8倍となる187万人以上を集め、2018年には過去最高となる223万人が来場している。これは、プロ野球12チーム中4位。広島県の人口が281万人であることを考えると、大きな数字であることは明解である。

新幹線の車窓より「ようこそ ときめく広島へ。」が来客を迎える
新幹線の車窓より「ようこそ ときめく広島へ。」が来客を迎える



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参考文献

(2022)「広島東洋カープ70年史」、ベースボールマガジン社
中川右介(2021)「プロ野球『経営』全史 球団オーナー55社の興亡」、日本実業出版社
藤本倫史(2020)「逆境をはねかえす 広島型スポーツマネジメント学」、晃洋書房
広瀬一郎(2014)「スポーツマネジメント入門」、東洋経済新報社

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中流層の暮らしぶりは終わった。まん中がなくなって、焼け野原のような空洞感が支配している。「こころの戦後」だ。 「欲望自由主義」のもとで「個人欲望」の解放を可能にした消費社会は終わり、生きがいを求めてさまよう価値社会が始まった。


著者プロフィール

林和夫

1980年早稲田大学理工学部卒業後、電通に入社。25年間、FIFAワールドカップ、UEFAチャンピオンズリーグ、世界陸上、世界水泳など国際スポーツのスポンサーシップ、TV放映権、大会運営業務に携わる。97年からスイスのISL(電通とアディダスのスポーツビジネス会社)、2010年からは電通スポーツ(ロンドン)での勤務など国際経験を蓄積。2018年より広島経済大学にてスポーツビジネスを担当し、今日に至る。


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