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公開日:2023年11月09日

消費社会白書2024
消費社会から価値社会へ

巻頭言

消費社会から価値社会へ
発行:2023年11月
定価:11,000円(税込)

 30年ぶりに、「物価は上がっていく」という「インフレマインド」への転換が起こった。世界で最も分厚かった中流層が崩壊し、年収350万以下層が2040年には半数を超える勢いで拡大している。海外からの輸入物価上昇と内部の収入階層化が、消費者の行動を変え、新たな価値ライフスタイルを生み出している。

 月一回の豪華な外食、年一回の海外旅行、子弟を私学に通わせ、郊外の持ち家戸建て、自家用車を持ち、最新家電で家庭を彩るという中流層の暮らしぶりは終わった。まん中がなくなって、焼け野原のような空洞感が支配している。「こころの戦後」だ。 「欲望自由主義」のもとで「個人欲望」の解放を可能にした消費社会は終わり、生きがいを求めてさまよう価値社会が始まった。

 子供第一の規範の食を希求しながら現実は食のジャンク化が進む、家なしなので街の機能で寝どころを選ぶ、収入が低ければ価値脱力すればいい、馴染みのブランドはネットで買い、リアルの買い物はワクワクと楽しく、同じドライヤーでも、美容機器として枠組み提示したり、百貨店に品揃えしたりするだけで二割は高く評価する「認知の歪み」。つまらない商品特徴は過大評価、力を入れた性能は過小評価され、満足度は合理的には上げられない。思い込んでいるドグマを疑った結果だ。

 歴史観のある時代規定をしっかり持てば、ゴミのデータとウソのマーケティングが見えてくる。白書編集20年、データなき空虚な理論を討ち、理論のあるデータを求めた。その成果を少しでも共有できればと念じる。

2023年11月
代表取締役社長  松田 久一




消費社会白書2024 構成

第1章 格差社会の進展による社会の保守化とソロ化
  1. 【1】共通性が失われる価値意識
  2. 【2】集約化がすすむ価値観
  3. 【3】低下する「利」の重要性
  4. 【4】個人化する家族とその再構築
  5. 【5】格差社会をリードする階層ライフスタイル

第2章 消費回復が始まる
  1. 【1】活発化する消費
  2. 【2】復活する潜在的消費欲望
  3. 【3】インフレ期待による消費の押し上げ
  4. 【4】マインド好転で活発化する消費
  5. 【5】資産効果で活発化する消費
  6. 【6】価値ライフスタイルが主導する「価値消費」

第3章 家族規範のもとでの食事選択
  1. 【1】価値観に基づく食意識
  2. 【2】規範に倣う食事メニューとジャンク化
  3. 【3】調理は賢く、手短に

第4章 広さと距離の住選択から都市型の利便性選択へ
  1. 【1】階層が生む住居購入の壁
  2. 【2】価値ライフスタイルで異なる理想の住まい
  3. 【3】広さより「新しい利便性」を重視
  4. 【4】「新しい利便性」を求めて大都市集中、東京集中へ

第5章 生成AIの普及の壁は用途とユーザビリティ
  1. 【1】特定層が利用する対話型AI
  2. 【2】意思決定をサポートする対話型AI
  3. 【3】買い物への応用は限定的
  4. 【4】用途と使い方に期待が高い対話型AI

第6章 経験と価値で選ばれるブランド
  1. 【1】ブランド意識と購買
  2. 【2】ブランド選択のプロセスと評価―ビールブランドの事例
  3. 【3】フレーミング(枠組み)による決定率と値頃価格の差

第7章 合理性と楽しさで多元化する購買チャネル
  1. 【1】消費者の買い物意識
  2. 【2】業態チャネルの利用実態
  3. 【3】買い物への期待と充足
  4. 【4】不確実な品質の伝達―シグナリング

補遺
  1. 【1】調査設計
  2. 【2】対象者プロフィール
  3. 【3】世代区分
  4. 【4】各章で用いた主な分析手法
  5. 図表索引

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