林和夫

WBCは日本代表のまさに劇的な優勝で幕を閉じた。栗山監督が語った「野球の神様」が降りてきたかのようなエンディング、大谷投手が投じたトラウト選手への最後のスライダーの軌道は、多くの視聴者の記憶に残り続けるだろう。
また、激闘となった準決勝後、日本に敗れたメキシコの監督が「この試合の勝者は野球界である」とのコメントを残したことが印象的であった。MLBが目指してきた野球の国際化が、紆余曲折を経て現実のものとなってきたことを評価したのであろう。実際に、全世界での入場者数、TV視聴者数、グッズの売り上げなど、多くの数値が新記録を達成している。
さて、この試合で起死回生の3ランホームランを放った吉田正尚選手は、大会寸前にポスティング・システムを利用してオリックス(NPB)からレッドソックス(MLB)へ移籍。推定年収は4億円から24億円と6倍となった。また広島カープの主軸であった鈴木誠也選手は、昨年カブスへ移籍。推定年収は3.1億円から20億円と7倍の上昇となったと報道されている(1月22日付、日本経済新聞)。
同じ競技の選手の年収になぜ、このような大きな差異が生まれるのだろうか?今回は、この疑問に迫ってみたい。
参考文献
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長く停滞していた日本の消費が、いま再び経済成長の牽引役として動き始めている。ようやく日本の消費は、「もはやバブル後ではない」と言える新たな局面に入った。
著者プロフィール
林和夫
1980年早稲田大学理工学部卒業後、電通に入社。25年間、FIFAワールドカップ、UEFAチャンピオンズリーグ、世界陸上、世界水泳など国際スポーツのスポンサーシップ、TV放映権、大会運営業務に携わる。97年からスイスのISL(電通とアディダスのスポーツビジネス会社)、2010年からは電通スポーツ(ロンドン)での勤務など国際経験を蓄積。2018年より広島経済大学にてスポーツビジネスを担当し、今日に至る。
参照コンテンツ
- プロの視点 プロスポーツのマネジメント~なぜMLBとNPBで7倍の年俸格差があるのか?~ 第一話「日本のプロ野球ビジネスの変遷」(2023年)
- プロの視点 プロスポーツのマネジメント~広島東洋カープの挑戦~広島市と共に逆境を乗り越える独自の経営戦略(2022年)
- プロの視点 今治.夢スポーツ 「スポーツが日本の未来にできること」を求めて、岡田武史氏の挑戦(2021年)
- MNEXT 眼のつけどころ 戦略思考をどう身につけるか-スポーツ観戦で学ぶ(2019年)
- MNEXT 2014年ブラジルW杯観戦で学ぶ 実践戦略思考(2014年)
- MNEXT W杯のコートジボワール戦敗北の戦略的読み方(2014年)
- MNEXT W杯日本代表のリーグ戦敗退の戦略的読み方(2014年)
- MNEXT 北京五輪にみる日本の戦略の弱さ(2008年)
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