
酒類全体のダウントレンドのなかで、ウイスキーの快進撃が続いている。2018年度のウイスキーの課税数量は182,743kl、前年度比9.4%増で、11年連続で拡大している(国税庁「酒のしおり」)。

戦後の日本のウイスキー市場は右肩上がりの成長を続けてきたが、1983年をピークに減少に転じ、20年以上低迷を続けてきた。しかし、サントリーが2008年にスタートさせた「ハイボール復活プロジェクト」が奏功、それまでの飲食店でのボトルキープや、シニアの飲み物というイメージを払拭、若い世代を中心に消費が増加した。さらにニッカウヰスキー創業者夫妻をモデルとした2014年9月放送開始のNHKの連続テレビ小説「マッサン」の影響も加わって、2014年度、2015年度は2桁の成長となった。かつては輸入品のイメージが強かったウイスキーだが、2014年にはサントリーの「山崎シングルモルト・シェリーカスク2013」が英ウイスキーガイドブック「ワールド・ウイスキー・バイブル2015(Whisky Bible)」で世界最高のウイスキーに選ばれたのを皮切りに、国産ウイスキーの受賞が相次いだことも人気を後押し、熟成に時間がかかることから急激な増産は難しく、国産ウイスキーは品薄状態が続いている。メーカー各社は海外のウイスキーメーカーとの提携などにも積極的で、ブームはまだ続きそうだ。
参照コンテンツ
- 戦略ケース ぶれない基軸で何度も危機を乗り越える チョーヤの成長戦略(2020年)
- 戦略ケース ウイスキー市場復活なるか モルト人気を通じたサントリーの若者層攻略(2005年)
- 消費者調査データ RTD(2020年2月版) 首位「氷結」、追う「ほろよい」。「檸檬堂」はどこまで伸びるか
- 消費者調査データ ウイスキー(2016年12月版) ジャパニーズ・ウイスキーの高いロイヤリティ
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