モスフードサービスの2022年3月期の連結決算は、売上高784億円(前年度比9.0%増)、営業利益35億円(前年度比144.2%増)と増収増益であった。テイクアウトやデリバリーの強化など、全事業においてコロナ禍への対応に全力を注ぐとともに、アフターコロナを見据えた新施策にも着手したことが要因である。国内モスバーガー事業においては、郊外のドライブスルー店舗が多い加盟店の売上高が堅調に推移したことに加え、都心の直営店の売上高も回復し、売上高・営業利益とも前年度を大きく上回った。海外事業は地域ごとに異なるコロナ影響を見極めて経営資源の配分を行い、状況が好転した地域で積極的な出店を行った結果、37店舗増と着実に店舗数を増やし、売上高・営業利益ともに大幅に改善。不採算店の整理と業務効率化を進めているその他飲食事業は、営業時間短縮要請が徐々に解除されていったことから営業損失の大幅な圧縮ができた。創業50周年を迎える2022年度から3年間を対象とする中期経営計画においては、 「Challenge & Support」をスローガンに掲げ、 100年企業として確固たる基盤を確立していくために構造改革期から再成長期へと転換していく。新計画では、「お店をもっと近くに・もっと愛されるお店に」をテーマに、年間50店舗規模の出店を目指すほか、地域に根差した店舗づくりを進める。計画初年度となる2022年度の連結経営成績は、売上高850億円(前期比8.4%増)、営業利益は33億円(前期比5.0%減)を見込む。
企業活動分析レポートのダウンロード
- バックナンバー

企業活動分析に関する基調論文
参照コンテンツ
- 戦略ケース シェイクシャックは日本で第二のスタバになれるのか (2016年)
- 戦略ケース 2016年ハンバーガー戦争 (2016年)
- 戦略ケース 勝者なきセルフ式コーヒーチェーン店の競争 (2013年)
- 戦略ケース 株式会社モスフードサービス-「心と科学」が経営の基本 (1993年)
- 戦略ケース 株式会社モスフードサービス-「心プラス科学」の経営理念 (1993年)
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 働き方の多様化が後押しするデリバリーサービス利用(2020年)
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 出前館、ウーバー...既存宅配取り込み成長する代行サービス(2019年)
- MNEXT 2023年の消費と戦略経営~マーケティングの6つの革新~(2022年)
- MNEXT アフターコロナの本格マーケティング 2023年の消費を捉える10のポイント(2022年)
- MNEXT 眼のつけどころ Z世代攻略の鍵は時代にあり(2022年)
- MNEXT 眼のつけどころ 値上げの時代の生き残りマーケティング(2022年)
- MNEXT 眼のつけどころ イラスト効果で売上130%増の謎を解く―エモーショナルマーケティング(2022年)
- MNEXT 眼のつけどころ ePOPで成熟ブランドのリブランディング― 2022年春の提案(2022年)
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事

消費者調査データ チョコレート 首位「明治チョコレート」は変わらずも、PBのリピート意向高まる
調査結果をみると、「明治チョコレート」が複数項目で首位を獲得、強さをみせたものの、「カカオショック」とまでいわれる原材料価格の高騰などによる相次ぐ値上げを背景に、再購入意向ではPBが上位に食い込んだ。

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 管理職は筋トレ率2倍! 20〜30代の美容・健康意識がプロテイン市場をけん引
健康意識の高まりや筋トレブームなどを背景に、プロテイン関連市場が成長しており、高たんぱくをうたうお菓子や、レトルト食品なども目にするようになった。今回は、プロテイン食品をどのような人が利用しているのかについて調査した。

成長市場を探せ コロナも値上げも乗り越えて成長するドラッグストア(2025年)
ドラッグストアが伸びている。コロナ禍でも医薬品や消毒薬、マスク、日用品などが好調で成長を続けた。2014年から23年の10年間で、チェーンストアの販売額がほぼ横ばい、コンビニエンスストアでも約1.2倍なのに対して、同期間でのドラッグストアの売上高はほぼ1.7倍に達する。



