米グーグルの持ち株会社、アルファベットの2022年12月期の連結決算は売上高2,828億ドル(前年比9.8%増) で過去最高を更新、営業利益748億ドル(前年比4.9%減)と、増収減益となった。セグメント別にみると、年間を通しクラウド事業が成長(前年比36.8%増)し貢献したが、主力のインターネット広告事業では夏以降景気の先行きを懸念する広告主の出稿が停滞し急ブレーキがかかったことで、後半の成長が鈍化した。厳しいマクロ環境に直面した2022年10月の7~9月期決算発表では、アルファベットのスンダー・ピチャイCEO(最高経営責任者)は「リソースを再配分し、効率化を進める取り組みを開始した」と述べ、2023年1月には人員削減を発表。2023年度は重要分野への継続投資ができるようコストベースの永続的な再構築を進め、アルファベット全体での製品投資の優先順位づけや採用の抑制、技術インフラストラクチャの効率化などによる生産性の向上に努める。投資対象として最重要な軸となるAIは、業務の中核に据えた取り組みを推進。2023年度は大規模言語モデルLaMDAを活用した生成AIチャットボット「Bard」や生成AIによる検索体験「SGE」、企業向けのAIクラウドサービスなどを提供し、AI主導のイノベーションを通じて、収益を拡大することに注力していく。
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