ロレアルの2017年12月期の決算は、売上高260億ユーロ(約3兆4,611億円、前年同期比0.7%増)、営業利益47億ユーロ(約6,219億円、同3.0%増)と増収増益となった。ランコムなど百貨店向け高級化粧品などが販売好調、地域別ではアフリカ・中東を除く全ての地域で売上を伸ばした。化粧品市場が安定的に成長していく中で、ロレアルは幅広いターゲットに向けた年商10億ユーロ(約1,330億円)のブランドを複数(2017年末時点、8ブランド)擁していること、フリーキャッシュフロー、並びに営業利益率の高さが企業の競争優位の源泉となっており、豊富なフリーキャッシュフローを用いてM&Aを積極的に行い、既存ブランドの維持と新たな成長機会の獲得に成功し、安定的な収益をあげている。今後も、世界での上流階級・中流階級の成長を背景に高価値・高価格帯の化粧品市場は大きく伸びるとみられており、ロレアルは商品開発力、ブランディング、デジタル革新などの強みを生かし、業界のリーダーとして市場シェア、売り上げの拡大を目指す。
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参照コンテンツ
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上位を独占する定番ブランド、次のヒットの芽は? - 消費者調査データ リップグロス -激口紅に代わりリップメークの必須アイテム「リップグロス」(2010年)
- 消費者調査データ ファンデーション 激戦・ファンデーション戦争(2010年)
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