宝ホールディングスの2017年3月期連結決算は、売上高2,342億円(前期比3.9%増)、営業利益136億円(同16.0%増)の増収増益となり、売上高は6期連続過去最高を更新、営業利益も過去最高益を更新した。グループ別では、宝酒造グループは、焼酎は減収となったものの、ソフトアルコール飲料が増収となり、さらに海外日本食材卸売事業での大幅な売上拡大により、全体で増収増益となった。タカラバイオグループは、為替の影響でわずかに減収となったが、売上高原価率の低下などから営業利益は増益となった。2017年3月期は、「中期経営計画2016」の最終年度であったが、「売上高2,300億円以上」「営業利益120億円以上」「海外売上高比率16%以上」という三つの定量目標をすべて達成した。また、定性面においても、四つの事業戦略を中心に一定の成果を上げることができた。一方で、国内事業の収益力向上や、"松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒"の育成、海外売上高比率のさらなる向上といった課題も残った。2018年3月期は、「宝グループ・ビジョン2020」の実現に向けた最終ステップとなる「中期経営計画2019」のもと、これらの課題に取り組みながら、環境変化に強い事業構造の確立を目指していく。
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- 戦略ケース ハーモニストマーケティングへの挑戦(1995年)
- 戦略ケース 「焙炒造り松竹梅」の開発から市場導入まで(1992年)
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