ドトール・日レスホールディングスの2018年2月期の連結決算は、売上高1,312億円(前期比3.4%増)、営業利益103億円(同1.7%減)と増収減益であった。セグメント別にみると、日本レストランシステムグループでは「星乃珈琲店」の店舗網拡大や、他ブランド展開の強みを活かした「星野珈琲店」と「洋麺屋五右衛門」の同地区同時出店など、グループ内での相乗効果の創出を図ったものの、外食産業全体の不振や人件費の高騰などから売上高425.9億円(前年比2.3%増)、セグメント利益47.5億円(同11.9%減)と増収減益となった。ドトールコーヒーグループでは、今季のテーマ「MADE IN JAPAN~厳選された国産素材の提供~」を軸に、季節に合わせた魅力ある商品づくりに注力した。またドトールバリューカードを中心とした販売促進をドトールコーヒーショップに加えてエクセルシオールカフェにおいても展開したことで、顧客の店舗利用頻度が上昇した。新業態の「梟書茶房」「ドトール珈琲農園」など、新たな成長への投資も積極的に行い、売上高817.5億円(前年比4.3%増)、セグメント利益47.6億円(6.9%増)と増収増益となった。今後は、ホールディングス全体のリ・ブランディングや新商品の開発を含めた商品力のアップ、新規出店、新業態開発のほか、フランチャイズ・ビジネスなどグループノウハウの共有化によるシナジー創出により高収益の体質を目指すとともに、高成長が期待できるアジアを中心とした海外事業の展開を推し進める。
参照コンテンツ
- 戦略ケース コーヒーチェーン競争の行方 進む異業種とのボーダレス化(2018年)
- 戦略ケース なぜ今"昭和型"コーヒーチェーンが増えているのか(2015年)
- 戦略ケース スターバックスの復活と新たな時代への挑戦 マルチフォーマットは成功するか(2015年)
- 戦略ケース 高齢化でフルサービス型喫茶店が復活する(2013年)
- 戦略ケース 勝者なきセルフ式コーヒーチェーン店の競争(2013年)
- 戦略ケース 「スターバックス」×「ドトール」 エスプレッソ開拓で圧倒的ブランド(2007年)
- 消費者調査データ コーヒーチェーン(2019年1月版) 王者スターバックス、追うドトール
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