ポーラ・オルビスホールディングスの2020年12月期の連結決算は、売上高1,763億円(前年同期比19.8%減)、営業利益138億円(同55.8%減)と減収減益となった。輸出も含めた化粧品市場は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響により縮小、インバウンド需要も大幅減少が継続した。このような環境下、2017年からスタートした4カ年中期経営計画に基づき、国内のさらなる収益性向上と海外事業での黒字化、次世代の成長ブランド創出を達成すべく取組みを進めたが、店舗事業が苦戦し減収減益となった。ビューティーケア事業においては、基幹ブランドである「POLA」は、国内EC事業が新規顧客の獲得により前期比プラス60%と伸長、商品面ではフルリニューアルしたB.Aが計画を上回り好調。海外では、中国と韓国が非常に好調で、ともに前期比プラス60%の拡大に成功したが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による売上減少の影響は大きく、前年同期を下回る売上高・営業利益となった。同じく基幹ブランドの「ORBIS」についても減収減益とはなったが、通販新規顧客の獲得は前期比40%増と大きく伸長し、スキンケア構成比が狙いどおりに高まり、構造改革は順調に進捗している。2021年度からは、「2021~2023年中期経営計画」がスタート、持続的成長に向けた基盤構築の期間と位置付け、当社の強みである「ダイレクトセリング」「スキンケア」「マルチブランド」をさらに進化させ成長軌道への回帰を目指す。
参照コンテンツ
- MNEXT 眼のつけどころ 市場脱皮期の富裕層開拓マーケティング―価格差別化戦略(2021年)
- オリジナルレポート コロナ下とコロナ後の消費の展望(2021年)
- 戦略ケース 急成長を続ける化粧品ブランド「THREE」 差別化と脱しがらみで日本発の世界ブランドへ(2018年)
- 戦略ケース 快進撃続くTHREE ―「ブルーオーシャンターゲティング」で第3の価値創造(2019年)
- 戦略ケース 株式会社ポーラ化粧品本舗 栄養携帯スナック「シーズケース」「バランスアップ」の開発について(1995年)
- 戦略ケース 株式会社ポーラ化粧品本舗 "有店舗"の訪問販売(1991年)
- 消費者調査データ 日焼け止め(2021年6月版) 逆風下でも強い「ビオレUV」、リピート意向は「スキンアクア」
- 消費者調査データ シャンプー(2020年11月版) 「ラックス」「パンテーン」「メリット」、盤石の定番ブランドを追うのは?
- 消費者調査データ 洗顔料(2020年3月版) トップを走る「ビオレ」、ロイヤリティの高い男性用洗顔料
- 消費者調査データ 化粧水(2019年10月版) 肌研、エリクシール、SK-IIが上位に。男性用化粧水も健闘
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事
消費者調査データ 炭酸飲料(2024年7月版) 首位「コカ・コーラ」、迫る「三ツ矢サイダー」、高い再購入意向の無糖炭酸水
2023年は3年連続プラスとなった炭酸飲料。調査結果を見ると、今回も「コカ・コーラ」が複数項目で首位を獲得したが、2位の「三ツ矢サイダー」の猛追が光る。再購入意向は、無糖炭酸が上位に食い込んだ。
消費者調査データ スポーツドリンク・熱中症対策飲料(2024年7月版) 首位「ポカリスエット」、追い上げる「アクエリアス」
人流の回復や猛暑などを背景に伸びる熱中症対策飲料・スポーツドリンクの調査結果をみると、ロングセラー「ポカリスエット」が再購入意向を除く5項目で首位を獲得した。5ポイント程度の差で追うのは「アクエリアス」。さらに10ポイント前後のビハインドで「GREEN DA・KA・RA」が続く。
成長市場を探せ 初の6,000億円超え、猛暑に伸びるアイスクリーム
2023年度、空前の暑さを追い風に、アイスクリーム市場は初の6,000億円超えを達成、4年連続で過去最高を更新した。2023年の夏日日数は140日、実に1年の4割近くの日が「アイスクリームを食べたくなる」気温である25度を超えたことになる。